こんにちは。
高齢の方にとって大きなリスクとなる病気のひとつに「誤嚥性肺炎」があります。
食べ物や飲み物、さらには唾液までが誤って気管に入り、そこから肺炎につながる病気で、
日本では高齢者の肺炎の多くがこれにあたるといわれています。
特に介護の場面では「むせやすいな」「最近よく咳き込むな」という様子が見られたら要注意。
ご本人はもちろん、ご家族も一緒に気をつける必要があります。

なぜ高齢者は誤嚥しやすいの?
年齢を重ねると、どうしても飲み込みの力(嚥下機能)が衰えてきます。
舌やのどの筋肉が弱くなると、食べ物がうまく食道へ送られず、気管へ入ってしまうのです。
さらに、咳をする力も弱まるため、異物が入り込んでも押し出すことが難しくなります。
これが繰り返されると、肺炎を起こしてしまうのです。

日常生活で気をつけたいこと
最初のポイントは「食事の姿勢」。
いすにしっかり腰をかけ、背筋を伸ばして、あごを軽く引いた状態で食べるのがベストです。
ベッド上で食べる場合も、背もたれを高くしてなるべく座るような姿勢を心がけましょう。
また、急いで食べると誤嚥しやすいので、一口ずつゆっくり。
周りの家族も「早く食べて」と急かさないようにするのがコツです。
口の中を清潔に保つ
誤嚥性肺炎の原因は、食べ物だけでなく口の中の細菌でもあります。
歯磨きや入れ歯のお手入れを怠ると、菌のかたまりが誤って肺に入り、
炎症を起こしてしまうことも。
毎日の歯磨きにプラスして、舌ブラシやスポンジケアなども取り入れるとより効果的です。
「口腔ケア」はちょっと手間ですが、
それが誤嚥性肺炎の予防につながると思うと安心できますね。

口腔体操でのどの筋肉を元気に
飲み込みの機能を支えるのは、舌やのど、頬や唇の筋肉。
つまり「口まわりをよく動かす」ことが、誤嚥性肺炎予防の第一歩なのです。
有名なのは「パ・タ・カ・ラ体操」。発音の練習をしながら口をしっかり動かす体操で、
下記のように行います。
- 「パパパパ」…唇をしっかり閉じて開く運動。
- 「タタタタ」…舌の先を上あごにつけて離す運動。
- 「カカカカ」…舌の根元をしっかり動かす運動。
- 「ララララ」…舌を大きく丸めるようにして前に動かす運動。
これを1日2〜3回、数分でOK。
発音のリズムに合わせて顔の筋肉を動かすので、表情も豊かになり、
会話のはっきり感も増して一石二鳥です。
飲み込みを意識する「嚥下トレーニング」
飲み込みのトレーニングも家庭で簡単にできます。代表的なのは「嚥下体操」と呼ばれる方法で、
例えば次のようなものがあります。
- あいうえお体操:大きく口を開けて「あ・い・う・え・お」と発音する。
- 首の前屈運動:あごを軽く引き、首を倒したままごくんと飲み込む練習。
- 舌出し運動:舌を思い切り前に出したり、左右に動かしたりする。
こうした運動は時間も体力もあまり必要なく、テレビを見ながらでもできます。
「さあ、今日は一緒に“パタカラ”やろう!」と声をかければ、
ご本人も「運動してるんだ」という実感が持てて楽しく続けられますよ。
家族が意識してサポートできること
ただし「やらなきゃダメ!」と押しつけると続きません。
「一緒に歌を歌おう」「今日のニュースを声に出して読んでみよう」といった
自然な日常会話も立派な口腔・嚥下訓練につながるんです。
家族が少し工夫するだけで、本人に楽しく参加してもらえるのが一番ですね。
食事内容の工夫
誤嚥を防ぐためには「食べやすい形」を意識することが大切です。
例えば固い煮物や繊維質の多い食材はそのままだと飲み込みにくいので、
小さめに切ったり柔らかく煮込んだりすると良いでしょう。
また、ごはんはパサパサしたままだとむせやすいので、お茶づけや雑炊風にしたり、
とろみをプラスしてまとまりをつけると飲み込みやすくなります。
「見た目が同じメニューでも形状を少し変える」だけで、ぐっと安心感が増しますよ。

飲み物の工夫
水やお茶などサラサラした飲み物は、気管に入りやすい特徴があります。
そこで活躍するのが「とろみ」。
市販のトロミ剤を少し加えるだけで、喉ごしがスムーズになりむせにくくなります。
コーヒーやスープにも使用できるので、
普段の飲み物に無理なく取り入れられるのが良いところです。
また、冷たい飲み物より温かい飲み物の方が感覚が分かりやすく、
飲み込みやすいという方もいます。
ご本人の感覚に合わせて工夫してみましょう。
むせてしまったときには
もし誤って気道に入ってしまった場合、まずは本人に咳をしてもらいましょう。
無理に背中を強くたたくと逆に詰まらせてしまうこともあるため、
少し前かがみにさせて自力で咳を出すように促すのが基本です。
咳き込んだあとに落ち着くようであれば、そのまま様子をみて大丈夫。
ただし呼吸が苦しそう、うまく声が出ない、顔色が変わったといった場合は
すぐに救急要請をすることが大切です。
家族が慌てずに判断できるよう、普段から「むせたらどうするか」を確認しておくと安心です。
まとめ
誤嚥性肺炎を完全にゼロにすることは難しいのですが、
「姿勢」「口腔ケア」「口腔体操」「食事や飲み物の工夫」を積み重ねることで、
リスクをぐっと下げることができます。
何より大切なのは、高齢者ご本人が「安心して食べられる」「まだまだ自分で口から食べたい」
と思えること。
家族が寄り添いながら一緒に工夫していくことで、
日々の食事が安全で楽しい時間につながります。
食べることは生きることそのもの。
「大ごとになる前に、小さな工夫で守れるんだ」と感じてもらえたら嬉しいです。
ぜひ今日から、できることを少しずつ取り入れてみてくださいね。
ご本人もご家族も、安心して毎日の食事を楽しめますように..。
いつも応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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参考
- 「誤嚥性肺炎の予防に口腔ケアはなぜ必要?得られる効果や手順」アサヒグループ
- 「口腔ケアと栄養管理による誤嚥性肺炎の予防に関する研究」厚生労働科学研究
- 「バタカラ体操の嚥下訓練としての効果」バイオメディカルファジーシステム
- 「誤嚥性肺炎の予防における口腔ケアの効果」JStage
 
  
  
  
  




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