最期まで家で看るという選択肢、その現実

介護の種類

こんにちは。

「できることなら、最期まで家で過ごさせてあげたい」――

そう考えるご家族は少なくありません。

病院や施設ではなく、住み慣れた自宅で穏やかに過ごしてもらいたいという思い。

きっと読んでくださっているあなたの心にも、そんな気持ちがあるのではないでしょうか。

でも実際に「最期まで家で看る」となると、想像していた以上に大変な現実が待っています。

ドラマのように温かく静かな最期を迎える姿だけではなく、介護を担う家族の負担、

医療との関わり方、生活の工夫など、考えておくべきことがたくさんあります。

この記事では、「最期まで家で看る」という選択肢について、現実的な視点と、

そこにある温かさや工夫をお伝えしていきます。

このブログの優しい気持ちをイメージする画像

なぜ『家で看たい』と思うのか

まずは、なぜ多くの人が「家で看取りたい」と思うのかを整理してみましょう。

理由の多くは、とてもシンプルです。

一つは「本人が安心できる場所だから」。

長年暮らしてきた家には、思い出や安心感があります。

窓から見える景色、畳の匂い、家族の気配――それらが本人にとって心の安らぎとなります。

もう一つは「家族のそばで過ごせるから」。

施設や病院だと、どうしても面会時間や距離の壁があります。

でも自宅なら、いつでも自然に顔を合わせ、日常の一部として一緒に過ごせます。

これはご本人にとっても家族にとっても大きな安心につながります。

また、「病院にいると延命治療ばかりになってしまうのでは…」という不安から、

自然な形で見送りたいという思いで在宅を選ぶ方もいます。

つまり「家で看たい」という気持ちの根っこには、

『安心』『家族のつながり』『自然さ』があるのです。

在宅での看取りに必要なこと

気持ちだけでは実現できないのが現実です。

在宅での看取りを選ぶには、いくつかの準備やサポートが必要になります。

まず欠かせないのは「在宅医療」と「訪問看護」です。

かかりつけ医や訪問診療の先生に定期的に来てもらう体制があれば、

急な体調の変化にも対応しやすくなります。

また、訪問看護師さんが入ってくれると、点滴や痛みのコントロール、

そして家族の精神的な支えにもなってくれます。

そしてもう一つ大事なのが「介護サービス」。

訪問介護(ヘルパーさん)、訪問入浴、福祉用具レンタルなど、

介護保険を使えるサービスはフルに活用するのがおすすめです。

自分たち家族だけで抱え込むと、体力的にも精神的にもすぐに限界がきてしまいます。

「在宅で最期まで」と考えるなら、医療+介護+家族の三本柱が欠かせない

と言っても過言ではありません。

三つの組織が団結するイメージ画像

家族の負担、どう考える?

在宅で看取りたいと思っても、家族の負担はとても大きいです。

昼夜を問わず呼び出されること、食事や排泄の介助、ベッドからの移動、体調の変化への対応…。

どれも体力的に大変ですが、同時に「自分がちゃんとできているのか」

という精神的な不安もつきまといます。

特に夜間の対応は大きな壁になります。

「夜中に何度も起きてトイレに連れて行った」「呼吸が乱れて不安で眠れなかった」など、

家族の生活リズムが大きく崩れてしまうことも少なくありません。

ここで大切なのは、「家族だけでがんばらない」という意識です。

訪問看護や訪問介護を利用するのはもちろん、

レスパイト(家族の休息のための短期入所)をうまく活用することも考えましょう。

最期まで家で看るためには、介護者自身が倒れないことが一番大事なのです。

安らかに夜を眠れるイメージ画像

在宅看取りで直面するリアルな場面

在宅で最期を迎えるというのは、言葉で聞くと穏やかなイメージがありますが、

実際には想像していなかった場面に出会うことも少なくありません。

ここでは、よくある「リアルな出来事」をいくつかご紹介します。

食べられなくなる瞬間

ある日を境に、少しずつご飯が食べられなくなることがあります

大好きだったお味噌汁を一口飲むのがやっとだったり、固形物を受けつけなくなったり…。

ご家族としては「なんとか食べさせなきゃ」と焦ってしまいますが、

これは体が自然に旅立ちに向かっているサインの一つです

無理に食べさせようとすると、かえってむせ込みや苦しさにつながることも。

ここでは「食べられるものを、食べたいときに、少しだけ」というスタンスが大切です。

アイスやゼリー、フルーツなど、口に含むだけでも安心につながることがあります。

呼吸の変化に戸惑う

最期が近づくと、呼吸のリズムが乱れることがあります

浅い呼吸になったり、しばらく止まったかと思えばまた再開したり…。

これを「チェーンストークス呼吸」と呼ぶこともありますが、

初めて目にするご家族は「苦しいのでは?」「今が最期なのでは?」と不安になります。

ここで頼りになるのが訪問看護師さん。

事前に「こういう呼吸になることがありますよ」と教えてもらっているだけで、

驚きや不安が少し和らぎます。

「見守ることが大切」と理解できると、

呼吸の変化も自然な流れとして受け止めやすくなるのです。

排泄の介助の大変さ

看取りの過程で避けられないのが排泄の介助

オムツ交換や尿の処理、時には褥瘡(床ずれ)の予防もしなければなりません。

これは体力的にも精神的にも負担が大きく、

特に家族だけでやろうとすると限界を感じやすい部分です。

ここでは「プロに頼る」ことがとても重要です。

訪問介護のヘルパーさんや訪問入浴サービスを利用することで、

清潔を保ちながら家族の負担を減らすことができます。

「人に任せてしまっていいのかな?」と罪悪感を抱く人もいますが、それはむしろ自然なこと。

家族の笑顔や安らぎを守るために、頼れるサービスはどんどん取り入れましょう

介護のプロのイメージ画像

工夫して乗り越える方法

では、どうすれば在宅での看取りを少しでも穏やかに続けられるのでしょうか。

ここでは実際に行われている工夫をいくつか紹介します。

環境を整える

病院のような完璧な環境は整えられなくても、

ちょっとした工夫でご本人も家族も快適になります

例えばベッドは介護用ベッドをレンタルして高さを調整できるようにする。

エアマットレスを導入して床ずれを防ぐ。

ポータブルトイレを置いて移動の負担を減らす。

こうした小さな工夫が、介護のしやすさに直結します。

「100点」を目指さない

多くのご家族が「自分がしっかりやらなきゃ」と思い込みがちです。

でも実際は、完璧でなくても大丈夫です。

ご飯を作れない日があってもいいし、オムツ交換が少し遅れてしまっても問題ありません。

大切なのは「その人が安心できているかどうか」

介護は点数をつけられるものではないのです。

家族で役割を分担する

介護を一人で抱えると、心も体もすぐに疲れてしまいます。

「平日は娘が、週末は息子が」「夜は夫が、昼は妻が」といったふうに

役割を分担することが大切です。

どうしても一人に集中してしまうと不満が溜まりやすくなりますので、

話し合いながらシェアしていきましょう。

気持ちを吐き出す場所を持つ

在宅での看取りは、気持ちの浮き沈みがとても激しくなります。

だからこそ「気持ちを吐き出せる場所」を持っておくことが大切です。

友人に話す、ケアマネジャーに相談する、ノートに書き出す…方法は何でも構いません。

「一人で抱え込まない」ことが一番のポイントです。

辛いことはノートに書き出してというメッセージを込めたイメージ画像

在宅での看取りがもたらす温かさ

大変なこともたくさんありますが、在宅での看取りには他では得られない温かさがあります。

家族が自然に集まり、笑い声があったり、日常の会話がそのまま最期の時間になったり…。

病院では味わえない「日常の中でのお別れ」ができるのです

そして何より、本人が「自分の家で過ごせた」という安心感を持って旅立てること

それは家族にとっても大きな慰めとなり、後悔を少し減らしてくれるのです。

在宅看取りを選んだ家族の声

実際に「最期まで家で看る」という選択をしたご家族の声を聞くと、その大変さと同時に、

深い満足感や温かい思いが伝わってきます。

ここではいくつかのエピソードを紹介します。

「大変だったけど、やってよかった」

ある女性は、がんで余命を宣告されたお母様を自宅で看取りました。

「夜中の介助で寝不足続きだったし、正直しんどいことも多かった」と話します。

でも同時に「最後の瞬間まで一緒にいられたことが、本当に大きな宝物になった」とも。

涙ながらに語るその姿から、在宅看取りならではの深い絆を感じました。

「最期の会話ができた」

別のご家族は、「病院だったら面会制限で会えなかったかもしれない。でも家だから、子どもや孫

も自然に集まれた」と言います。おじいちゃんが亡くなる前日、孫に「ありがとう」と言葉を残せ

たことが、家族にとって何よりの思い出になったそうです。

「後悔しない選択ができた」

「もし施設や病院にお願いしていたら、もっと楽だったかもしれない。でも『やっぱり家がいい』

という本人の気持ちを叶えられたから、後悔はない」と話す人もいます。大変さの中にも「納得で

きる見送りができた」という満足感が残るのです。

後悔しないために考えておきたいこと

在宅看取りを選んだ家族の多くは、「事前の準備が大事だった」と振り返ります

ここでは後悔を少しでも減らすために考えておきたいポイントをまとめます。

本人の希望を聞いておく

「どこで最期を迎えたいか」「どんな医療を望むか」

これを本人が元気なうちに話しておくことはとても大切です。

いざという時に家族だけで判断しなければならないと、迷いや後悔が残りやすくなります。

早めに話しておくことが一番の安心材料です。

医療と介護の体制を整えておく

訪問診療や訪問看護、介護サービスを早めに導入しておくと、

いざという時に慌てなくて済みます。

「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、状況は急に変わります。

元気なうちからケアマネジャーや医師とつながっておくと、後々スムーズです。

自分を責めない

どんなに頑張っても「もっとできたのでは」と思う瞬間は必ずあります。

でも在宅で看取ろうと決めた時点で、すでに十分すぎるほどの愛情を注いでいるのです。

小さな後悔が出てきても「それだけ真剣に向き合った証」と受け止め、

自分を責めすぎないようにしましょう。

自分のやってきたことに満足している顔のイメージ画像

まとめ:最期まで家で看るという選択肢

在宅での看取りは、決して楽な道ではありません。

体力的にも精神的にも大きな負担があります。

それでも「家で過ごしたい」という本人の気持ちを尊重し、家族で力を合わせて見送った経験は、

後にかけがえのない宝物になります

大切なのは「家族だけで抱え込まないこと」

医療や介護のサポートを受けながら、時には息抜きもしながら進めることです。

そして「やってよかった」と思えるように、早めに準備を始め、

本人や家族の思いをしっかり話し合っておきましょう。

「最期まで家で看る」という選択は、大変さと温かさが同居するもの。

でも、そこで流れる時間は、きっと家族にとって何よりも大切な思い出になるはずです。

いつも応援しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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参考

  • 「人生の最終段階における医療・介護参考資料」厚生労働省
  • 「訪問看護の利用状況と自宅死亡の割合」厚生労働省
  • 「在宅医療の最近の動向」厚生労働省
  • 「多死社会のゆくえー在宅死・施設看取りは増えるのか?」第一生命経済研究所
  • 「自宅での看取り。家族を看取るために必要なことやできることは?」大原在宅診療所

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