認知症の初期サインとは?見逃してはいけない行動例

認知症ケア

こんにちは。

今日は「認知症の初期サイン」について丁寧にお話しします。

大切な方の変化に気づけるよう、優しい視点で一緒に学んでいきましょう。

なぜ「初期サイン」に気づくことが大切なの?

認知症は進行型の疾患です。初期に気づくことで、生活環境や支援の工夫を早めに整えられます。

そうすることで、ご本人の尊厳や安心感を守り、家族や介護者の負担も軽くなる可能性が高いです。

見逃してはいけない行動例

1. 物忘れが多くなった?

例えば、さっき話したことをすぐに忘れる、同じ質問を繰り返すようになった……。

誰でも年をとれば物忘れは起こりますが、初期認知症では「忘れたこと自体を忘れている」状態が見られることがあります。

  • ついさっき渡したカギや財布が見つからない
  • 買い物したことをすっかり忘れて、また買いに行く
  • 同じ話を何度も繰り返す

ただの「うっかりミス」と「認知の障害」は違います。周囲がそっと優しく気づいてあげることが大切です。

2. 時間や場所がわからなくなる

時間感覚が曖昧になり、「今が何時か、何曜日か」がわからなくなることがあります。

旅行先や外出先で道に迷うなど、普段と違う行動に出ることもあるでしょう。

  • テレビやラジオの番組がいつのものかわからない
  • 「今日は○○をしよう」と言った予定を忘れている
  • よく知っているはずの道で迷う
認知症のおばあちゃんが、一人で散歩に行って、今自分がどこにいるのか、家はどこなのか分からなくなってしまったイメージ画像

3. 判断力や意欲の低下

日常のちょっとした判断がつらくなることがあります。

人付き合いを避け、テレビばかり見る、財布を持たずに出かけるなど、いつもと違う姿が見られたら要注意かもしれません。

  • お金の計算が途中でわからなくなる
  • クレジットカードや通帳の管理ができない
  • 趣味や外出への意欲が減ってきた

4. コミュニケーションの変化

言葉が出にくくなったり、話が支離滅裂になったり。

普段と違う言い回しに気づいたら、心を寄せて声をかけてあげましょう。

  • 適切な単語が出てこず、言い換えに頼る
  • 話の内容が繰り返しになったり、飛んだりする
  • 相手の話を理解しにくくなる

5. 気分や性格の変化

急に落ち込んだり、不安になったり、怒りっぽくなったりすることがあります。

「いつもと違う…」と感じたら、それは心のサインかもしれません。

  • 急に涙もろくなる
  • 表情が乏しくなる
  • 些細なことに異常に苛立つ
認知症になると、些細なことで怒ったり、泣いたりしてしまうということのイメージ画像

見逃さないためのアドバイス

周囲が観察し、違和感に早く気づくことが大切です。

でも「突っ込みすぎず、そっと寄り添う」ことも同じくらい大切。

  • 変化に気づいたら、やんわりと「最近どうかな?」と聞いてみる
  • 日記や記録(会話内容・様子・時間)をつけてみる
  • 定期的に健康診断や認知機能検査を受ける
  • 同じような時期に変化を感じた人がいるか、家族で話し合ってみる

初期サインを感じたらどうする?

「認知症かもしれない」と感じたら、まずはかかりつけ医や地域の認知症相談窓口に相談してみましょう。

専門医や看護師・ソーシャルワーカーと連携して、最適な支援につなげることができます。

自治体によっては「軽度認知障害(MCI)検診」を受けられる場合があります。

早めに気づいて対応すれば、生活の質を保つことが期待できます。

認知症の介護の際には、一人で抱え込まずに、市などの窓口で相談することがとても大切だというイメージ画像

家族としてできる“やさしい見守り”の工夫

認知症の初期サインに気づいても、「どう接したらいいかわからない」という声も多く聞きます。

そんなときに役立つ、家族としての“やさしい見守り”のコツをご紹介します。

1. 否定せず、共感の気持ちで接する

「また忘れてるの?」「前にも言ったでしょ」などと否定的に言ってしまうと、ご本人は不安やプライドの傷つきから心を閉ざしてしまいます。

そんなときは、

  • 「そうだったね、一緒に確認しようか」
  • 「大丈夫だよ、私も忘れることあるから」

といった声かけを意識してみてください。

2. 日課やスケジュールを視覚化する

カレンダーやホワイトボードに予定や日課を書いておくことで、「今日なにするんだったかな?」という不安を和らげることができます。

  • 起きる時間、食事、服薬などのスケジュールを一目で確認
  • 家族の名前や顔写真を貼って、安心感をプラス

3.「その人らしさ」を大切にする

認知症の初期であっても、長年の趣味や習慣、言葉遣いや好きなものは、その人を支える大切な軸になります。

たとえば…

  • 料理好きな方なら一緒に野菜を切る
  • 音楽が好きなら昔の歌を一緒に聴く
  • 手先が器用なら折り紙や手芸を取り入れる

「できること」や「好きなこと」に焦点を当てることで、自信と生きがいを保つことができます。

認知症の人でも出来ることや好きなことに取り組むことで生きがいを持つことが出来るというイメージ画像

4. ひとりで抱え込まないで

そしてなにより大切なのが、家族自身がつらくなる前に相談すること

地域包括支援センターやケアマネジャーなど、相談できる窓口はたくさんあります。

必要な支援や制度を上手に活用して、「ひとりじゃないよ」という安心感を持ってほしいのです。

介護はチーム戦です。家族だけで背負わず、社会資源や専門職の力を借りて、みんなで支え合っていきましょう。

まとめ:大切なのは“気づく”こと、そして“寄り添う”こと

認知症の初期サインは、本人や家族が気づきにくいものです。

でも、ちょっとした「いつもと違う」に気づいたら、それは大切なサイン。

優しく声をかけ、記録をして、専門家と連携することで安心感が生まれます。

大切な人がいつまでも安心して暮らせるように、ぎゅっと寄り添いながら一歩ずつ歩んでいきましょう。

気づいたその優しい心が、未来の大きな支えになります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考・出典元

  • 厚生労働省「認知症を知る」
  • 東京都福祉保健局「認知症の症状と対応」
  • 公益社団法人 認知症の人と家族の会
  • 認知症フォーラムドットコム「認知症の基礎知識」
  • NHK健康チャンネル「認知症の初期症状とは?」
  • 国立長寿医療研究センター「MCI(軽度認知障害)とは」

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