親のお金、どう管理する?成年後見人制度の基礎知識

制度・手続き・お金

こんにちは。

親の介護が必要になったとき、誰もが悩むのが「お金の管理」です。

親が元気なうちは口座のことや資産のことも親任せにできましたが、

認知症や病気で判断能力が落ちてくると、勝手に動かすわけにはいきません。

でも、「成年後見人制度」というものを知っておくと、少し安心です。

今日は、ちょっと難しいけど、そんなお悩みを解決できるようなお話です。

このブログの優しい気持ちをイメージする画像

親のお金にまつわる悩み、いろいろ

 ・親が認知症気味で、最近お金の管理がちょっと不安

 ・通帳や印鑑、どこにあるか分からない

 ・電気・ガスや施設費の支払いどうしよう?

 ・親戚から「勝手にお金を使ってる!」なんて言われたら…

遠方に住んでいたり、ご兄弟が多かったりすると、余計にややこしい問題になりがちですよね。

そこで今回は、「親のお金」「財産」の管理をしっかり・安心してできるしくみ

成年後見人制度 」について分かりやすくお伝えしていきます。

そもそも「成年後見人制度」ってなに?

難しそうに聞こえますが、ざっくり言えば

「判断力が不十分になった人(=親など)を、法律的に守ってくれる仕組み」のこと

たとえば、認知症や知的障害、精神障害で、お金の管理や契約が難しくなったとき

本人に代わって、後見人が銀行や役所の手続き、お金の管理、契約までサポートしてくれます。

これで「お金がきちんと管理される」「家族が安心できる」といったメリットがあります。

どんな人が対象なの?

たとえば…

 ⚫︎高齢で認知症が進み、通帳のお金の出し入れが自分でできなくなる

 ⚫︎うっかり詐欺の被害にあいやすくなる

 ⚫︎介護施設やデイサービスの契約が一人でできなくなる

そんな時、成年後見人がサポートの力を発揮するのです。

認知症の親のイメージ画像

制度のしくみを、ざっくり解説!

成年後見人制度には、主に2種類あります。

法定後見制度 親の判断力が実際に落ちてきてから、家庭裁判所が後見人を選んでくれる仕組み。

任意後見制度 まだ元気なうちに「将来、頼りたい人」を自分で決めて契約しておくしくみ

どちらも家庭裁判所が関わるので、トラブルになりにくく、法的にも強い力があります。

「何となく家族の誰かが…」と曖昧なままお金を管理するより、ずっと安心できる制度です。

成年後見人の「お仕事」って?

成年後見人が実際にやることは主に2つです。

 ⚫︎財産管理…預金や不動産の管理・処分、日々のお金の出し入れ

 ⚫︎身上保護…介護サービスや施設の契約、医療手続きなど

ただし、普段のお買い物など、小さなことは本人が自由にOK。

高額なものや大事な契約だけ、後見人がしっかり確認する形です。

もちろん「本人の意思」ができる限り尊重されますので、

後見人が勝手に何でも決めてしまうことはありません。

成年後見人になるのはどんな人?

多いのは、家族や親族。

でも最近は、弁護士・司法書士・社会福祉士など、専門家が指定されるケースも増えています。

「親族で揉めそう」「身近に頼れる人がいない」という場合も安心です。

誰が後見人になるかは、本人の状況や家族事情に合わせて、家庭裁判所が決めてくれます

家庭裁判所のイメージ画像

どんな時に利用するの?

「財産の管理が難しくなってきた」

「詐欺に遭いそう」

「入院や施設の契約ができない」など、

実際に困った場面が出てきたら、成年後見制度の利用を検討してみましょう。

成年後見制度の種類と選び方~ぴったりの仕組みを見つけよう〜

もう少し踏みこんで「法定後見」「任意後見」など、具体的な種類や違い、

どう選ぶかをじっくり見ていきます。

法定後見制度とは?

「親の判断力が落ちてきた」「もう安心して任せられない…」と感じ始めたら、

本格的に検討したいのが法定後見制度です。

これは、すでに判断力が低下した親御さんのために、家庭裁判所が後見人を選んでくれる仕組み。

 ⚫︎申立ては本人、配偶者、4親等内親族などができます

 ⚫︎だれが後見人かは、裁判所が本人の状況をみながら決定します(希望を出すことは可能)

そして、判断能力の程度により次の3つのタイプに分かれます。

成年後見= まったく判断ができない。→後見人が広く代理や財産管理を行う

 ②保佐=かなり不十分。→重要な法律行為などは保佐人が同意や代理をする

 ③補助=一部にサポートが必要。→補助人が一定の範囲だけサポート

「いきなり全てを後見人に任せる」のではなく、

親御さんの状況に合わせて段階的にサポートする仕組み。

だから「判断がちょっと不安…」というケースからしっかり利用できます。

任意後見制度とは?

一方で、「いざという時のため、今のうちに準備しておきたい!」という方向きなのが

任意後見制度」です

これは、まだ判断能力がしっかりしているうちに、信頼できる家族や専門家と

「将来困ったときはこの人に頼みますね」と公正証書で契約しておく制度です。

 ⚫︎本人が元気なうちはそのまま普通に生活

 ⚫︎実際に判断力低下が見られたら、契約した任意後見人が財産管理などを代行

 ⚫︎任意後見人のサポートが始まるには家庭裁判所で「任意後見監督人」の選任が必要

「将来、家族に迷惑をかけたくない」

「信頼できる人に、自分がちゃんと元気なうちにお願いしておきたい」

こういった想いがある方によく選ばれています。

思いやりの気持ちをイメージした画像

法定後見と任意後見のちがいは?一覧表でチェック!

主な違い法定後見制度任意後見制度
使うタイミング判断力が落ちた後まだ判断力があるうちに
後見人の決め方家庭裁判所が選任本人と後見人が公正証書契約
サポート開始条件家庭裁判所の審判判断力低下+任意後見監督人の選任
後見人の権限保護のための取消権あり契約で定めた範囲のみ
本人の意思尊重度状況次第(本人の支援が優先)本人の意思が最優先

どちらを選ぶ?ケース別のおすすめ

⚫︎法定後見がおすすめのケース

 ・親がすでに判断力低下している

 ・親族間で揉めたくない、裁判所の監督で安心したい

 ・高額な財産管理や複雑な相続手続きがある

⚫︎任意後見がおすすめのケース

 ・子世帯と話し合いをして、ちゃんと準備しておきたい

 ・「自分の将来」を自分でデザインして任せたい

 ・家族や専門家、信頼できる人がいる

それぞれのメリットと限界があるので、家族でよく話し合ったうえで、

親御さんの状態や「将来どうしたいか」に合わせて決めましょう。

後見人はどうやって選ばれる?

法定後見の場合、家族や本人が候補者を希望できますが(例えば長男、甥っ子など)、

家庭裁判所が最終的に「この人なら大丈夫」と決めてくれます。

近頃は、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門家や団体が後見人になる例も増えています

一方、任意後見は誰を後見人にするか、本人の「話し合い次第」。

「この人にお願いしたい!」という思いを形にできます。

成年後見人制度の難しさに困るイメージの画像

成年後見制度の申立て方法と手続きの流れ

いよいよ後見制度を実際に使う場面に!…となった時、

「どうやって申し込めばいいの?」「どんな書類が必要?」という疑問、けっこう多いですよね。

ここでは流れや費用、実際に使った方のリアル感想まで、わかりやすく解説します。

申立ての流れ~ざっくり6ステップ~

1.家庭裁判所の管轄を確認

 本人の住んでいるエリアを担当する家庭裁判所に申立てします。

2.申立人を決める

 申立てできるのは、本人・配偶者・4親等内の親族・市区町村長などです。

3.必要な書類を集める

 医師の診断書、戸籍謄本、住民票、財産目録、本人情報シート、申立書、収支状況報告書など。

4.申立書類を作成する

 書類が揃ったら、申立内容や候補者のことなど必要事項を記入します。

5.家庭裁判所での面接・審理

 裁判所で面接や調査があります。

 ここで本人や家族の状況・親族関係などが丁寧に確認されます。

6.審判と後見開始

 問題がなければ「審判」決定。後見人が選ばれ、正式にスタート。

 登記もされて、証明書が発行されます。

申立て、実際の費用イメージは?

 ・申立て手数料(収入印紙代): 数千円程度

 ・登記手数料:2,600円(1件あたり)

 ・医師の診断書料:約5,000~10,000円

 ・(司法書士・弁護士報酬:専門家に依頼時のみ、数万~数十万円)

家族や親族で手続きすれば、実質1万~2万円程度に収まるケースが多いです。

専門家や書類作成代行を使う場合はもう少しかかりますが、

「不安なときは相談だけでもプロに頼む」のもOKです

どれくらい時間がかかるの?

通常、申立てから後見人スタートまでは1~3ヶ月ほど。

書類不備や調査、休日を挟む場合は半年程度かかることもあります。

気をつけたいポイント~事前チェック~

 ・必ず事前に「本人の意思」を尊重し、家族で話し合うこと

 ・申立てに必要な書類や手順は各家庭裁判所ごとに多少違うので公式HP必ず確認

 ・財産内容はなるべく詳細にリストアップ

 ・親族への連絡・同意書も大事。トラブル予防になります

成年後見制度を利用する前に家族でよく話し合うことが大事だというイメージの画像

まとめ:こわがらず一歩ふみだそう!

成年後見人制度は、親のお金を守るための法律の仕組みです。

使うかどうか迷う方も多いですが、

大切なのは「親の生活を守ること」と「親の意思を尊重すること」です。

制度を知っておくと、いざというときに慌てず対応できます。

初めての成年後見手続きは、最初は戸惑うことも多いと思いますが

「案外やってみたらどうにかなった!」というケースがたくさんあります。

家族で話し合い、必要な手続きを準備しておくことで、安心した介護生活を送ることができます。

どんな些細な疑問も、専門家や家庭裁判所の窓口で気軽に相談しながら進めてくださいね。

「家族皆で話し合ってから申請する」こと、ぜひ大切にしてください。

いつも応援しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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参考

  • 「成年後見制度の種類」厚生労働省
  • 「成年後見制度の手続き完全ガイド」トリニティテック
  • 「後見人とは?どう選ばれる?種類別の役割や職務内容、費用を解説」リーガルエステート
  • 「成年後見の種類」成年後見ヘルプネット

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