はじめに：迷うのは当然。だからこそ「違い」を知ろう
こんにちは。
親の介護が必要になったとき、多くの人が「施設にするか、家で介護するか」で悩みます。
どちらにもメリットがあり、どちらにも大変なことがあります。
でも、何も知らないまま選んでしまうと、あとで「こうすればよかった…」と後悔することも。
だからこそ、このブログでは、在宅介護と介護施設、それぞれの違いをていねいに比べながら、あなたが「納得できる選択」をできるようサポートしていきます。
在宅介護の特徴とメリット・デメリット
在宅介護のメリット
- 住み慣れた家で安心して過ごせる
長年暮らした家は、本人にとって心も体もなじみやすく、不安感が少ないです。 - 家族とのふれあいが継続できる
食事、会話、テレビなど、日常の中に自然な交流が生まれます。 - 本人のペースに合わせた生活が可能
起床・食事・排泄など、本人のリズムに合わせた柔軟な介護ができます。 - 地域のサービスと組み合わせられる
訪問介護やデイサービスなどを上手に使えば、家族の負担を軽減できます。
在宅介護のデメリット
- 介護する家族の身体的・精神的負担が大きい
特に排泄・入浴介助、夜間の見守りなど、心身ともに消耗しやすいです。 - 介護にかかる時間が生活全体を圧迫する
仕事や自分の時間が取りづらくなり、孤立感を感じる人もいます。 - 介護スキルや知識が必要になる
病状に合わせた対応や緊急時の判断など、不安を抱えながら対応しなければならない場面も。 - 自宅の環境整備（バリアフリーなど）に費用がかかる
手すりの設置やトイレ・浴室の改修、介護ベッドの導入などが必要になる場合があります。
介護施設の特徴とメリット・デメリット
介護施設のメリット
- 24時間体制で介護・医療が受けられる
専門職が常駐しており、急変時の対応も安心です。 - 家族の身体的・精神的な負担が軽減
「自分の人生を取り戻せた」「家族として穏やかな関係に戻れた」という声も多いです。 - 栄養・生活リズムが整う
食事・入浴・服薬・睡眠の管理が専門的に行われます。 - レクリエーションやイベントで刺激がある
孤独感の軽減や、他の入居者とのふれあいが生まれることも。
介護施設のデメリット
- 費用が高額になる場合がある
入居金・月額利用料・オプションサービスで、想定以上の負担になることも。 - 生活スタイルが施設のルールに縛られる
起床・就寝・食事時間など、ある程度の集団生活に合わせる必要があります。 - 家族との距離が心理的に遠くなることも
「見守ってあげられない」「本人の本音が分からない」と感じるケースも。 - 施設によって質に差がある
職員の対応、設備、医療連携などにばらつきがあり、見学や調査が欠かせません。
生活スタイル・費用・家族の関わり方の違い
① 一日の過ごし方の違い
在宅介護では、家族のスケジュールと本人の生活リズムを合わせて組み立てます。
自由度は高いけれど、介護者に大きな負担がかかることも。
一方、介護施設では決まった時間割（起床・食事・入浴・レクなど）で集団生活を送ります。
本人がリズムに慣れれば生活が安定しやすくなりますが、最初は戸惑う方もいます。
② 費用の違い
- 在宅介護：月3万〜10万円ほど（介護保険サービス・福祉用具レンタル・交通費など）
- 介護施設：月15万〜30万円以上（入居金別途、民間施設の場合）
※特養（特別養護老人ホーム）は費用が抑えられますが、入居待機が長いことも多いです。
③ 家族の関わり方の違い
在宅介護では、家族が「主たる介護者」となり、日々の判断やケアを担います。
愛情を直接注げる一方で、疲労やストレスによる「介護うつ」のリスクも。
施設介護では、家族は「支える役割」に回ります。
定期的な面会や外出支援、意思決定のサポートなど、関係性が変わることで穏やかな関係を再構築できることもあります。
どちらが合う？タイプ別おすすめ判断ポイント
- 本人が「住み慣れた家にいたい」と強く希望している → 在宅介護をベースに、地域サービスを組み合わせる
- 家族の負担がすでに限界に近い → 施設入居も選択肢に入れてOK
- 医療的な管理や専門ケアが必要 → 介護施設の方が安心できるケースも
- 家族が離れて暮らしている → 面会・連絡体制が整った施設の利用を検討
実際の声から見る選択理由
「介護で親とけんかが増えてしまった…」
家でずっと一緒にいることで、イライラや衝突が増えてしまい、施設入居を決めました。
今は週末に笑顔で会える関係に戻れました。
「最後まで自宅で…という想いを叶えた」
在宅医療チームに協力してもらいながら、自宅での看取りを実現できました。
大変でしたが、今思えばとても大切な時間でした。
「本人が施設で生き生きして驚いた」
「知らない人ばかりで嫌だ」と言っていた母でしたが、施設のスタッフや友達と笑い合っている姿を見てホッとしました。
まとめ：「正解」はない。でも「納得」はできる
介護の形に正解はありません。
在宅か、施設か――その選択は、ご本人と家族の状況・想い・体力・経済状況によって変わります。
大切なのは、「どうしてその選択をしたのか」を、自分たちで納得できること。
そのために、知ること・話すこと・相談することが、とても大事です。
このブログが、あなたの迷いを少しでも軽くするヒントになりますように。
そして、あなたとご家族が、より穏やかに、安心して毎日を過ごせますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考・出典
- 厚生労働省「在宅介護と施設介護の比較に関する報告書」
- 全国老人福祉施設協議会の資料
- 高齢者向け住まいガイド（国土交通省）
- 介護経験者へのインタビュー記事（みんなの介護・LIFULL介護等）
コメント