こんにちは。
今日はちょっとデリケートだけど、とても大事なテーマについてお話ししたいと思います。
それは「介護施設での盗難や持ち物の紛失」についてです。
「え?そんなこと本当にあるの?」
「高齢者施設って安全な場所じゃないの?」
と思う方もいるかもしれません。
もちろん多くの施設は真剣に利用者を守ろうとしていますし、
スタッフさんも一生懸命働いています。
でも、現実には財布や衣類、小物、
時には大切な思い出の品がなくなってしまうこともあるんです。
家族の立場からするととても心配ですよね。
そして、ご本人にとっては大切な生活の一部が失われてしまう悲しい出来事です。
介護施設で暮らすお年寄りや、そのご家族にとって
「安心して生活できること」は何よりも大切です。
ここでは、そんなときに泣き寝入りしないためのポイントを整理してみます。
家族としてできること、施設に伝えるときのコツ、そして心の持ち方まで。
少しでも安心につながるようにお届けしますね。

どうして盗難や紛失が起きるの?
まず「なぜそんなことが起きてしまうのか?」を考えてみましょう。
⚫︎入居者同士の取り違えや誤入手
高齢の方は認知症の症状がある場合も多く、
自分のものと他人のものを区別するのが難しいことがあります。
例えば隣の人の洋服を自分の物だと思って持って行ってしまう、なんてケースもあるんです。
⚫︎職員が気づかず混同してしまう
洗濯物や衣類の管理をスタッフが行う施設では、
名前が書いてあっても誤って他の入居者さんの部屋に入れてしまうことがあります。
⚫︎本当に盗難のケース
中には残念ながら意図的に他の人の物を持ち去ってしまうこともゼロではありません。
入居者だけでなく、外部からの出入りのある施設では来訪者によるケースも考えられます。
施設は「安全で安心できる場所」であるべきですが、
人が集まる場所だからこそのトラブルも起こりやすいんですね。
泣き寝入りしてしまう理由
では、もし物がなくなった時、
どうして多くのご家族や入居者さんが「泣き寝入り」をしてしまうのでしょうか?
・「誰が取ったかわからない」から追及しにくい
・施設側に言いにくくて、苦情として伝えづらい
・ご本人が「そんな大ごとにしなくても…」と我慢してしまう
・「認知症だから仕方ないね」と処理されてしまう
特に介護施設という環境では
「トラブルを起こしたくない」「スタッフさんとの関係を悪くしたくない」という思いから、
つい言い出せなくなってしまうことが多いんです。
でも、それではまた同じことが繰り返されてしまうかもしれませんよね。

大切なのは「防ぐこと」と「記録すること」
解決策を考える上でとても大事なのは、
1.できるだけ事前に防ぐ
2.トラブルが起きた時にしっかり記録を残す
この2つです。
「え?そんなことで変わるの?」と思うかもしれませんが、
実はここが明暗を分けるポイントなんです。
衣類や生活用品の管理
まず一番多いトラブルが「衣類の紛失」です。
洗濯の時や、他の入居者さんに間違って持って行かれてしまうケースがほとんど。
これは大きな事件に発展するものではなくても、ご本人にとっては生活の快適さに直結します。
⚫︎すべての衣類に名前を書く
マジックで直接書くよりも、アイロンで貼れる「名前タグ」や「布用シール」
を使うときれいに管理できます。
⚫︎同じような服を避ける
他の入居者さんも同世代なので、似たようなデザインの服が集まりがちです。
なるべく色や柄で個性を出すと間違われにくくなります。
⚫︎高価な服は持ち込まない
「これだけは無くしたら困る!」というようなブランド物や思い出の一点物は、
できれば施設に持ち込まないのが安心です。

貴重品・お金の扱い方
お金や貴重品が関わると、入居者さんもご家族も一気に不安が大きくなりますよね。
施設によっては「貴重品は持ち込まないでください」「お小遣いは施設で預かります」
というルールがあるところも多いと思います。
⚫︎現金は最小限に
コンビニに行くわけでもないので、大金を持ち歩く必要はありません。
必要であれば小銭入れや千円札程度にとどめましょう。
⚫︎貴重品は原則持ち込まない
指輪やネックレス、思い出の時計など、価値のある物は
無くなった時のショックが大きいので、なるべく持ち込まないことをおすすめします。
⚫︎施設預かりの仕組みを利用する
多くの施設では「管理金」や「預かりボックス」の制度があります。
面倒に感じても、こうした公式の方法に任せるのがいちばん安全です。
施設とのコミュニケーション
「物がなくなった」という話は、どうしても施設側に伝えにくいですよね。
「クレーマーだと思われたらどうしよう」と不安も出やすいと思います。
でも、伝え方を工夫すれば関係を崩さず、むしろ良い信頼につながることもあります。
⚫︎まずは相談ベースで
「最近こういうことがあったんですけど、何か改善できることありますか?」
と聞いてみると、施設側も受け止めやすくなります。
⚫︎責めるより、一緒に考えるスタンスで
「いつもお世話になっているけど、こういうことがあると心配で…」と前置きすると、
お互いに柔らかい雰囲気で話せます。
⚫︎言いにくいことはメモやメールで
直接伝えるのが難しければ、短いメモやメールで伝えるのも有効です。
記録にも残るので後々も安心ですね。

実際に起きてしまったら?
どんなに気をつけても、残念ながら100%防げるとは限りません。
大切なのは「起きてしまった後の対応」です。
1.まずスタッフに伝える
落ち着いて、具体的に状況を報告しましょう。
「何が、いつから無いのか」をはっきりさせることが大事です。
2.記録を残す
施設に伝えた日付、対応してくれた職員の名前、やり取りの概要をノートに記録。
これは「何度も同じことがあった場合」に強い証拠になります。
3.家族同士で共有する
「言ったのに伝わっていなかった」という行き違いを減らすために、
家族で情報を共有しておきましょう。
施設側に求められること
もちろん家族ができることにも限界があります。
最終的には施設側にどれだけ誠実な対応をしてもらえるかが重要です。
⚫︎紛失時の調査体制
「無くなったらどう調べるのか」が曖昧な施設は要注意。
調査方法や再発防止策について具体的に説明してくれる施設は安心できます。
⚫︎管理ルールの徹底
衣類の洗濯・返却フローや貴重品預かりのルールがきちんと回っているかどうか。
これは施設を選ぶ段階から見極めポイントになります。
⚫︎誠実な対応
「仕方ない」の一言で済ませず、一緒に解決策を考えてくれる施設こそ信頼できる場所。
家族の声に耳を傾ける体制かどうかも要チェックです。

場合によっては警察に相談も
お金や貴重品が明らかに盗まれた場合は、遠慮せず警察に相談するのも選択肢のひとつです。
「施設に迷惑をかけてしまうのでは」と躊躇する方も多いですが、
本当に被害があったのなら泣き寝入りせず行動することも、ご本人を守る大切な手段です。
まとめ
介護施設は本来、安心して暮らせる場所。
ただし「人が集まる場所だからこそ起きる小さなトラブル」があるのも事実です。
盗難や紛失のトラブルは、確かに大きなストレスです。
でも、それだけで施設全体を否定してしまうのはもったいないこともあります。
多くのスタッフさんは真剣に、入居者さんのために働いているからです。
だからこそ、家族が少しだけ工夫して、
施設とも味方同士でいられるように心がけることがとても大切です。
悲しい思いをしないために、一歩踏み込んで「防止」「記録」「冷静な対応」。
この三つを心に留めておくだけで、きっと安心できる日々につながるはずです。
大事なのは、「もし起きたらこうしよう」という自分なりの対応マニュアルを持っておくこと。
そうすることで、いざというときにも落ち着いて行動できます。
さらに、日頃から施設と良い関係を築いておくことで、
トラブルが起きても解決に向けて協力してもらいやすくなります。
介護は長く続くもの。
トラブルが起きても、それを「一つの経験」として乗り越えていけるように..。
大切な人の暮らしを守りながら、
家族自身も安心して向き合える介護ライフを作っていけたら素敵ですね。
いつも応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考・出典
- トリニティーフォーエイ「老人ホームで物がなくなる理由とは?防犯カメラの力で盗難・紛失・トラブルを防ぐ!」
- みんなのじれい「利用者が指輪を紛失した事例」
- 全国有料老人ホーム協会「私物の紛失・盗難について」
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