はじめに:介護施設ってどんなところ?
こんにちは。
「親が介護施設に入居したけど、どんな風に過ごしているの?」「施設って、病院みたいなイメージで心配…」
そんな声をよく耳にします。
実際、介護施設というと“特別な場所”のように思われがちですが、入居者さんにとってはそこが“暮らしの場”。
この記事では、そんな介護施設での「一日」をのぞいてみながら、安心できる日常の風景をお伝えします。

そもそも「介護施設」って何種類あるの?
ひとくちに「介護施設」と言っても、実はいろいろな種類があります。
たとえば:
- 特別養護老人ホーム(特養)…常時介護が必要な高齢者向け。比較的費用が抑えられる。
- 介護付き有料老人ホーム…手厚いサービスとプライベート重視。自由度が高め。
- グループホーム…認知症の方が少人数で共同生活をするスタイル。
今回の記事では、主に「特養」や「介護付き有料老人ホーム」に焦点を当てて、一日の流れをご紹介していきますね。
介護施設での一日をのぞいてみよう!
ここからは、朝から夜までの流れを時間帯ごとに見ていきましょう。
※施設や個人によって多少異なりますが、よくあるパターンをベースにしています。
6:00〜8:00 起床・朝の支度・健康チェック
まだ外が明るくなり始めるころ、スタッフが「おはようございます」と声をかけながら各お部屋を回ります。
ゆっくり起きられるように照明や温度も調整され、無理のない自然な目覚めを大切にしています。
起きた後は、着替えや洗顔、トイレ介助などが行われ、必要に応じてスタッフがやさしくサポート。
このタイミングで体温・血圧・脈拍などの健康チェックも行い、体調の変化がないか確認します。

8:00〜9:00 朝食・服薬
朝食は、食堂に集まってみんなでいただく施設が多いです。
メニューは栄養士が考えたバランスの良い食事。嚥下が難しい方にはやわらか食やミキサー食も用意されます。
食後には服薬のサポート。薬の飲み忘れがないように、スタッフが丁寧に確認してくれます。
9:00〜11:00 入浴・リハビリ・体操
この時間帯は、日替わりで入浴の順番がまわってくる方が多いです。
職員が脱衣から洗身・洗髪・着替えまで丁寧に対応し、安全第一で進めていきます。
入浴以外の方は、機能訓練や軽い体操・ストレッチで体を動かしたり、脳トレなどをして過ごします。
リハビリは理学療法士や作業療法士による個別対応がある場合もあり、無理なく日常動作を保てるよう工夫されています。

11:00〜12:00 自由時間・レクリエーション
自由時間には、おしゃべりや読書、テレビ鑑賞、趣味活動など、思い思いに過ごされます。
施設によってはこの時間に、季節のイベントやカラオケ大会、ぬり絵や折り紙、クイズ大会などのレクが行われることも。
「今日はちょっと調子悪いからお部屋でのんびりしたい」という方には、無理なく個別対応してくれる配慮もあります。
12:00〜13:00 昼食・口腔ケア
昼食ももちろん栄養バランスの整ったメニューが提供されます。
食事形態は個人の状態に合わせて調整され、必要な方には介助も。
食後には口腔ケア(歯みがき・うがい・義歯の洗浄)をサポート。
誤嚥性肺炎の予防や、健康維持のために欠かせないケアのひとつです。
13:00〜15:00 お昼寝・静養・面会
食後はベッドやリクライニングチェアでゆったりとお昼寝をしたり、静かに過ごす時間になります。
この時間帯にご家族の面会が入ることもあり、面会ルームや居室でゆっくりと会話される様子が見られます。
気持ちよさそうにうたた寝している表情は、まさに「穏やかな日常」を象徴するひとときです。
15:00〜16:00 おやつ・交流タイム
お楽しみのおやつタイムでは、季節の和菓子やゼリーなどが提供されます。
「今日は何が出るかな?」と楽しみにしている方も多く、おしゃべりにも花が咲く時間です。
この時間に軽いレクリエーションが行われることもあり、職員と一緒に笑顔で体を動かす光景が見られます。

16:00〜18:00 夕食準備・夕食・片付け
夕方になると、少しずつ夕食の準備が始まります。
食堂での会話は落ち着いた雰囲気に変わり、日中よりゆったりとした空気が流れます。
夕食ももちろん、栄養士による献立で調整されており、摂取状況は記録されて健康管理に活かされます。
食後には再び服薬や口腔ケアの時間も設けられています。
18:00〜21:00 就寝準備・夜の見守り
食後は順番にお風呂や着替え、トイレ誘導などが行われ、就寝準備に入ります。
眠る時間は人によって異なりますが、消灯時間には居室の照明が落ち、ゆっくりと夜が更けていきます。
夜間もスタッフが定期的に見回りを行い、ナースコール対応やおむつ交換などに対応しています。
「夜中に不安になるかも…」という方にも安心の体制が整っています。

介護スタッフの一日もちょっとだけ紹介
介護施設では、介護職員・看護師・栄養士・機能訓練士・生活相談員など、さまざまな専門職が協力し合って運営されています。
介護職員は、入居者さんの生活全般を支える要。
食事・排泄・入浴などの介助だけでなく、声かけや見守りなど、心のケアも大切にしています。
「今日もいい一日だったな」そう思ってもらえるよう、チームで支え合いながら働いているんです。
入居者の「声」から見える日常
「家にいるときより安心」
持病があって体調管理が大変だった方が「ここにいるとすぐ見てもらえるから安心」と笑顔で話してくれました。
「話し相手がいてうれしい」
ご家族が忙しく、長く一人暮らしだった方が「ここは誰かがいつもいてくれる。寂しくない」と話されることも。
「食事が楽しみ」
「毎日違う献立で、ちゃんと栄養が考えられてる。おやつも嬉しい!」そんな声がよく聞かれます🍴

まとめ:介護施設の一日は、やさしい日常の積み重ね
介護施設での暮らしは、「特別」なことよりも「当たり前の日常」を丁寧に積み重ねるもの。
その中に、笑顔や安心、そして人とのつながりが詰まっています。
「施設に入ったらさみしいのでは?」「自由がなくなるのでは?」
そう思う気持ちもよくわかります。でも、実際には“安心できる暮らしの場”として心地よく過ごされている方もたくさんいます。
まずは「知ること」から。この記事が、あなたとご家族の安心への一歩になりますように
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考・出典
- 特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、起床から就寝までの支援が提供され、生活の流れが明確に整備されていることが一般的です。
- 介護職員は、入居者の生活支援だけでなく、レクリエーションや心のケアも担い、多職種で連携したケア体制が構築されています。
- 食事・入浴・排泄支援やリハビリテーション、看護師による健康管理は、介護施設における基本的なサービス内容です。
- 多くの施設で「自由時間」や「趣味活動」「面会時間」などが設けられ、個人の生活スタイルに配慮した支援が重視されています。
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