こんにちは。
在宅介護で必ずといっていいほどぶつかるのが、「トイレの問題」。
排泄って、ものすごくプライベートでデリケートなこと。
だからこそ、本人にとっても、介護する側にとっても、気を遣うし、
心がすれ違いやすい部分なんですよね。
「また間に合わなかった…」
「布団まで濡れてしまって、つい怒ってしまった…」
そんな経験がある方も、きっと少なくないと思います。
でも、失敗は責めるものじゃなくて、“工夫”で変えていけるものなんです。
今回は、在宅介護におけるトイレ問題と、
失敗を責めずに向き合うためのやさしい工夫について、一緒に考えていきましょう。

「トイレ問題」が起きる理由
まずは、なぜトイレの失敗やトラブルが起きるのか?
その背景には、いくつかの原因があります。
身体的な衰え
加齢や病気によって、足腰が弱くなると、トイレまでの移動が難しくなってきます。
さらに、排尿や排便の感覚自体が鈍くなることもあるんです。
「行こうと思ったときには、もう間に合わなかった」なんてことも、よくあります。
認知機能の低下
認知症の方の場合、トイレの場所が分からなくなったり、
排泄のタイミングが分からなくなることがあります。
中には、「トイレに行ったことを忘れてしまう」ケースもあるので、
失敗は“うっかり”や“忘れ”の積み重ねだったりするんですね。
恥ずかしさやプライド
大人として、長年自立してきた人が、トイレの失敗をすることはとてもショックです。
「もうこんなこともできなくなったのか…」
「情けない…」
そんな思いから、我慢してしまったり、隠してしまったりすることも。
気づいたときには失禁していた、なんてことも多いです。
[PR]介護する側の本音も、大切にしていい
正直な話、トイレの失敗の後始末は、精神的にも体力的にもとても大変です。
掃除に洗濯、本人の着替えや声かけ…
それが1日に何回もあると、「なんで…!」と心の中で叫びたくなることもありますよね。
でも、そんなふうに思ってしまう自分を責めなくていいんです。
介護をしている人が、イライラしてしまうのは当然のこと。
疲れているときほど、心がとがりやすい。
だから、自分の気持ちに気づいてやさしく認めてあげることも、大切なケアのひとつなんです。
環境を整えるだけで、トイレの成功率はぐんと上がる
「また失敗したらどうしよう…」
そんな不安を減らすためには、本人の感覚や動作を補う“環境づくり”がとっても大切です。
トイレまでの移動距離を短くする
トイレが遠いと、それだけでハードルが高くなります。
可能であれば、寝室の近くにポータブルトイレを設置するのもひとつの方法です。
夜間の失敗が多い場合、廊下に足元灯をつけるだけでも、安心感が全然違いますよ。
[PR]声かけのタイミングを工夫する
本人が「行きたい」と言うのを待っていると、すでに間に合わないこともあります。
食後や起床後など、生活リズムに合わせたタイミングで声をかけることで、
トイレ誘導の成功率がアップします。
たとえば、
「ご飯食べたし、ちょっとお手洗い行っておこうか?」
「寝る前にトイレ行っておくと安心だよ」
といった、自然な声かけがポイントです。
衣類の工夫も大事なポイント
ボタンが多い服や、ベルト付きのズボンは、トイレでの動作を難しくする原因になります。
介護される側が自分で脱ぎ着しやすい服を選ぶだけで、失敗の回数が減ることもあります。
マジックテープのズボンや、伸びる素材のパンツなど、
「本人が自分でできる」をサポートする服選びも大切ですね。
トイレの中の工夫
・便座の高さが合っていない
・手すりがなくて不安定
・トイレットペーパーが取りにくい位置
こういった小さなストレスが、排泄を嫌がる原因になることもあります。
介護保険で使える福祉用具レンタルや住宅改修制度もあるので、
必要があればケアマネさんに相談してみましょう。
[PR]失敗を責めないコミュニケーションのコツ
トイレの失敗があったとき、咄嗟に「また?」って言いたくなる気持ち、本当によく分かります。
でも、そこでグッとこらえて、やさしい声かけに切り替えるだけで、
お互いの心の傷つき方がぜんぜん違うんです。
NGワードに注意しよう
・「また失敗したの?」
・「ちゃんと教えてって言ったでしょ」
・「何回言えば分かるの?」
こういった言葉は、本人のプライドや自信を深く傷つけてしまうことがあります。
代わりにこんな言葉をかけてみよう
・「大丈夫だよ、誰にでもあることだし」
・「寒かったから、間に合わなかったかな?」
・「こっちの準備が間に合わなかったね、ごめんね」
あえて介護する側の気持ちとして言うことで、責めていないことが伝わります。
何よりも大事なのは、「失敗しても大丈夫だよ」って空気をつくることなんです。
[PR]オムツの使用は「諦め」じゃなくて「選択肢」
「オムツを使うなんて…」
そんなふうに、本人も家族も抵抗感を持つことがありますよね。
でも、オムツは尊厳を奪うものではなく、暮らしを守る道具のひとつなんです。
漏れを防いだり、夜ぐっすり眠れたり、介護する側の負担が軽くなるという面も大きいです。
本人の気持ちも尊重しながら
「まだトイレでできるから使いたくない」
「オムツなんて恥ずかしい」
そんな気持ちは、ごく自然なもの。
だからこそ、強制せず、少しずつ慣れてもらう工夫が必要です。
たとえば、
・「パンツタイプ」から始めてみる
・トイレに間に合わない時間帯だけ使ってみる
・「もしもの時のために使うね」と伝える
そんなふうに、本人のプライドを守りながら寄り添う言葉があると、受け入れやすくなりますよ。
[PR]最後に
在宅介護におけるトイレの問題は、体だけでなく心にも大きく影響します。
・移動やタイミングの工夫で失敗を減らすことができる
・声かけや環境整備で本人の尊厳を守ることができる
・怒らずに受け止めることで関係がギクシャクせずに済む
そして何より大切なのは、介護するあなた自身が、自分にもやさしくすることです。
どうか、自分を責めずに。
どうか、がんばりすぎずに。
今日もうまくいかなかったとしても、
「また明日、ちょっとだけ工夫してみよう」
そんな気持ちで十分だと思います。
応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
[PR]参考
- 公益財団法人 長寿科学振興財団「高齢者の排泄ケア」
- 厚生労働省「認知症の理解と対応(家族介護者向け手引き)」
- 東京都福祉保健局「在宅での排泄介助の工夫と支援」
- 介護労働安定センター「在宅介護で役立つ福祉用具の活用事例集」
- 日本排泄ケア研究会「排泄ケアの基本と実践」







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