介護保険って結局なにが対象?自己負担はいくら?

制度・手続き・お金

こんにちは。


今回は「介護保険って結局なにが対象?自己負担はいくら?」をやさしく丁寧に解説します。


1. 介護保険ってそもそも何?

介護保険制度は、家族だけでは負担しきれない介護を社会全体で支えていく仕組みとして、2000年にスタートしました。超高齢社会が進む中で、介護離職や家族への負担を減らすことを目的としています。介護が必要になったとき、要介護者・要支援者が必要なサービスを受けられる公的な制度です。

介護を家族だけでは支えきれないので、それを社会全体で支えていく仕組みとして介護保険がある。そのイメージ画像

2. 被保険者は誰?対象になるのはどんな人?

① 第1号被保険者(65歳以上)

  • 65歳以上の人が対象です。
  • 要介護・要支援の認定を受ければ、原因を問わず介護サービスを利用できます。

② 第2号被保険者(40~64歳)

  • 40~64歳で医療保険に加入している人が対象です。
  • 16種類の特定疾病(例:がん末期、関節リウマチ)により介護が必要になった場合に、介護保険を利用できます。

つまり、40歳以上は全員が介護保険に加入していますが、実際にサービスを利用できるのは、一定の条件を満たした人だけです。


3. サービスを受けるまでの流れ

  1. 市区町村に「要介護(要支援)認定」を申請
  2. 訪問調査+主治医意見書の提出
  3. 介護認定審査会で「要支援1〜2」「要介護1〜5」に判定
  4. 認定後、ケアプランを作成
  5. 介護サービス開始(自己負担は1〜3割)

出典:厚生労働省公式PDF

介護保険を使うには窓口で様々な申請手続きをする必要がある。その窓口で相談を受ける係のイメージ画像

4. どんなサービスが受けられるの?

◆ 居宅サービス(自宅で受ける)

  • 訪問介護(生活援助・身体介護)
  • 訪問看護・訪問入浴
  • 訪問リハビリ・居宅療養管理指導
  • 通所介護(デイサービス)、通所リハビリ(デイケア)
  • 福祉用具レンタル・住宅改修支援

◆ 施設サービス

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • ショートステイ

◆ 地域密着型サービス

  • 小規模多機能型居宅介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

参考:A-Living 介護サービス一覧

介護を受けるお年寄りと介護職員。
お年寄りに服を着せてあげようとしている。

5. 自己負担っていくら?1~3割のしくみ

介護保険サービスを利用する場合、原則は「1割負担」です。ただし、所得に応じて「2割」または「3割」になることがあります。

負担割合の目安

  • 1割:年金受給のみなどの低所得層
  • 2割:年収160万円以上などの中間層
  • 3割:年収220万円以上などの高所得層

自分がどの負担になるかは、市区町村が発行する「介護保険負担割合証」で確認できます。


6. 支給限度額と超過分の負担

要介護度ごとの月額上限(例:1割負担の場合)

  • 要支援1:50,030円(自己負担5,003円)
  • 要支援2:104,730円(自己負担10,473円)
  • 要介護1:166,920円(自己負担16,692円)
  • 要介護5:360,650円(自己負担36,065円)

この上限を超えた分は、すべて自己負担になります。


7. 高額介護サービス費制度

利用者の自己負担が高額になった場合、一定の上限を超えた分は「高額介護サービス費」として払い戻しされます(申請が必要)。

  • 上限例:一般世帯で月44,400円程度
  • 払い戻しには市区町村への申請が必要です

8. 施設サービス利用時の追加費用

施設入所では、介護サービス費以外にも以下の費用がかかります:

  • 居住費(部屋代・光熱費)
  • 食費(食材料費+調理費)

例:ユニット型個室の場合
部屋代 約60,000円 + 食費 約42,000円 + 要介護5の1割 約29,000円 → 合計 約13万円/月

※所得の少ない方には軽減措置があります。


9. 介護保険料の支払い方法

  • 65歳以上:年金からの天引き(特別徴収)または口座振替
  • 40~64歳:医療保険料と合わせて支払い(給与天引きなど)

保険料は市区町村ごとに異なり、所得によっても異なります。

介護にはお金がかかるのでそれをイメージできるようなお金の画像

10. 制度のメリット・利用のコツ

メリット

  • 自己負担が抑えられる
  • 福祉用具や住宅改修なども対象
  • 高額になっても上限制度でカバーされる

注意点

  • 支給限度額を超えると全額自己負担
  • 施設サービスは別途費用がかかる
  • 負担割合は人によって異なる

まとめ表:介護保険のポイント

項目概要
対象者65歳以上、または40~64歳で特定疾病の人
自己負担原則1割(所得により2~3割)
支給限度額要介護度に応じて月額上限あり
高額介護費超過分は申請すれば還付可能
施設追加費用居住費・食費などは別途発生

アドバイス

まずは市区町村が発行する「負担割合証」を確認しましょう。
ご自身の要介護度や所得に応じた上限額をチェックして、無理なく利用できる介護サービスを選ぶことが大切です。
わからないことがあれば、市役所や地域包括支援センターで相談するのもおすすめですよ。

最後まで読んで下さってありがとうございました。

※本記事は2025年6月時点の情報に基づいています。最新情報は各自治体・厚生労働省サイトをご確認ください。

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