こんにちは。
いよいよ冬本番ですね。
冷たい風や朝晩の冷えが身にしみる季節、高齢者の皆さんを悩ませるのが「寒さ対策」ですよね。
実は、年齢を重ねるほど体温を調節する力が弱くなり、冷えやすくなってしまうんです。
「寒さがつらいけど、どう対策すればいいの？」
「住まいって今のままで大丈夫かな？」
今回は、そんな不安を少しでも軽くできるように、
高齢者の方が冬を安全で快適に過ごすためのポイントをしっかりお伝えしていきますね。
寒さが高齢者の体に与える影響とは？
まず知っておきたいのは、高齢者は若い人よりも寒さに弱いということです。
でも「弱い」というよりは、「気づきにくい」といったほうが正しいかもしれません。
加齢とともに筋肉量が減ると、体温を作り出す力も弱くなります。
そして、皮膚の感覚も鈍くなるため、
寒くても自分では「そんなに寒くない」と思ってしまうことがあるのです。
気づかないうちに体が冷え、手足がしびれたり、夜中にトイレへ行く回数が増えたり…。
心臓や血管にも負担がかかるので、冬は特に気をつけたい季節なんですね。
さらに、寒い時期は血圧が上がりやすいので、
ヒートショック（急な温度差による体への負担）につながることも…。
入浴中の事故が増えるのも、実はこうした理由からです。
だからこそ、「寒くないようにしてあげる」だけでなく、
寒さに気づきにくいことを前提にした工夫が大切なんです。
まずは「部屋の温度」を整えることが大切
冬の対策というと「重ね着」や「暖房器具」を思い浮かべますが、基本はやっぱり室温管理です。
特に高齢者が長く過ごすリビングは、できるだけ快適な温度に保ちたいところ。
高齢者にとって安心できる室温はおおよそ18〜22℃と言われています。
この温度を保つだけでも、寒さによる不調の予防になります。
ただ、実際には「暖房をつけるのがもったいない」「電気代が心配」と思ってしまい、
節約のために暖房を控える方も少なくありません。
そんな時は、部屋全体を暖めるよりも、ポイント暖房を活用するのも一つの方法です。
たとえば、足元ヒーターや電気カーペットなど、体の冷えやすい部位を温めるアイテムなら、
電気代を抑えながら暖かさを確保できます。
また、暖房をつけても部屋がなかなか暖まらない場合は、
窓から逃げる熱を防ぐ工夫がかなり効果的です。
窓まわりを工夫すると、部屋の暖かさがぐっと変わる
「暖房つけてるのに、なんだか部屋が寒い…」そんな経験はありませんか？
実は、家の中でいちばん熱が逃げやすいのは窓なんです。
ガラス面は外の冷気をそのまま通しやすく、せっかく暖めた空気もどんどん奪われてしまいます。
とはいえ、窓を二重窓にするような大がかりな工事は気が重いですよね。
そこで、まずはかんたんにできるところから対策してみましょう。
おすすめは、断熱カーテンや厚手の遮光カーテン。
これだけで体感温度がかなり変わります。
また、カーテンの丈が短いと下から冷気が入ってくるので、
床スレスレの長さにしておくと効果がアップします。
さらに、窓用の断熱シートも優秀です。
ペタッと貼るだけで、外の冷気を和らげてくれます。
ご高齢の方の家に貼るときは、椅子に登ると危険なので、
必ず家族がサポートしてあげてくださいね。
窓際が冷えると、体はその冷気を敏感にキャッチしてしまいます。
特に高齢者にとっては、冷気が足元にたまると血圧変動が起きやすくなるので、
ここはしっかり対策しておきたいところです。
ヒートショックを防ぐために「温度の段差」をなくす
冬に気をつけたいのが、ヒートショック。
リビングは暖かいのに廊下やトイレがキンと冷えていると、
温度差に体がびっくりしてしまいます。
特に入浴中は事故が増えやすいため、
住まいの中の温度差をなるべく小さくしておくことがとても大切です。
たとえば、脱衣所やトイレに小型のセラミックヒーターを置くだけでも、
急激な冷えを防ぐことができます。
ただし、小型ヒーターは転倒事故のリスクもあるため、
コードの位置や足元には十分注意しましょう。
また、お風呂に入る前には、浴室をシャワーのお湯で少し暖めておく「予備暖房」も効果的です。
ほんの1〜2分でも、浴室全体がふんわり暖かくなり、入った瞬間の冷たさをやわらげてくれます。
そして、入浴中の体調変化を防ぐためにも、
できれば家族が声をかけて様子を見ることが安心につながります。
「大丈夫？ 暖かい？」と軽く声をかけるだけでも、事故予防になります。
床の冷たさ対策で快適さがぐっとアップ
寒い季節になると、足元から冷えるという声はとても多いです。
特にご高齢の方は足先の感覚が鈍くなりやすいので、「気づいたら体全体が冷えていた」
ということも起こりがちです。
床の冷たさをやわらげるには、ラグマットやコルクマットを敷くのが手軽でおすすめです。
歩いても足が冷えにくくなるだけでなく、転倒時のクッションにもなります。
ただし、マットが薄くて滑りやすいものだと、逆に転倒の原因になってしまいます。
できれば滑り止めつきのものを選ぶか、マットの下に滑り止めシートを敷いて使うのが安心です。
また、床暖房があるお家の場合でも、温度設定は控えめにしすぎず、
体が冷えない程度に調整してあげましょう。
高齢者は「熱い・冷たい」の感覚が若い人とは少し違うので、
家族がそっと確認してあげると安心です。
着るものの工夫で「寒さに気づきにくい」問題をカバー
高齢者の方の中には、「寒くないよ」と言いながら実は体が冷えているケースがよくあります。
そこで、衣類の工夫もとっても大切です。
おすすめは、体に負担がかからない軽くて暖かい素材。
フリースや裏起毛の肌着、柔らかいニットなどは体力を消耗しにくく、
着心地も良いので人気があります。
特に大切な「三首」と呼ばれる、首、手首、足首は体の中でも特に熱を逃しやすい部分です。
ここを温めることで血流が良くなり、体全体の寒さ対策に直結します。
ネックウォーマー、手首ウォーマー、レッグウォーマーなどは着脱も簡単で、
ご高齢の方にも取り入れやすいアイテムです。
さらに、夜は体温が下がりやすいので、
寝間着だけでなく布団の中の暖かさも工夫してあげたいところです。
電気毛布は便利ですが、低温やけどのリスクもあるため、
ご本人が温度調整できるかどうかを見ながら使うと安心です。
生活リズムを整えて、冬場の体調不良を予防する
意外に見落としやすいのが、冬場の生活リズムの乱れです。
寒くなると外出が減り、体を動かす機会が少なくなり、筋力も落ちやすくなります。
そして筋力が落ちると、さらに体温を保ちにくくなる…という悪循環に。
そこで、冬こそ「体を動かす習慣」を少し意識してみましょう。
といっても、特別な運動をする必要はありません。
家の中をゆっくり歩く、座ったまま足首をまわす、軽くストレッチする…。
これだけでも血流がよくなり、体が温まりやすくなります。
また、食事の面でも、しょうが・ねぎ・根菜類など体を温める食材をとり入れると、
体がポカポカしやすくなります。
スープや煮物は消化にも優しく、冬の高齢者にはぴったりですね。
最後に
ここまで、住まいの環境や衣服、生活習慣など、さまざまな角度から寒さ対策を見てきました。
どれか一つだけを変えるのではなく、
住まいと体の両面から整えていくことが冬の安全には欠かせません。
特に高齢者の場合、温度変化に気づきにくいことがあるので、
家族が気づいたことをそっとフォローしてあげるだけでも安心につながります。
「ちょっと寒そうだから温度上げておくね」
「足元冷えてない？」
そんな小さな声かけが、冬の事故を防ぎ、毎日を穏やかに過ごすための大きな支えになります。
冬は厳しい季節ですが、ちょっとした工夫で暮らしは驚くほど暖かく、やさしいものになります。
ご家族の健康と安心を守るために、ぜひ今日からできるところから試してみてくださいね。
今回の記事が、あなたとご家族の冬を少しでも安心で過ごしやすくするヒントになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考
- 「WHOが強く勧告「冬の温度は18度以上」が目安」TBS NEWS DIG
- 「冬の一番の健康法は暖かい部屋で過ごすこと「室温18度以下」は要注意」日刊ゲンダイ
- 「寒い家は健康を害するー健康寿命を延ばすー」LThomes住宅研究所
- 「冬の家に潜むリスク「低体温症の死者数」が熱中症より多い年も」MBSニュース
- 「室温適温の基礎と季節別目安・年齢や健康に合わせた温度調整ポイント」ハウスケアラボ
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