こんにちは。
認知症介護をしていると、どう接したらいいのか分からなくなったり、
自分の対応が間違っている気がして不安になったりすることはありませんか。
正解が見えにくいからこそ、心が少し疲れてしまうこともあると思います。
そんなとき、そっと背中を押してくれるのが、本や漫画、映画の存在です。
誰かの体験や物語を通して、認知症の人の世界をのぞいてみることで、
見え方や声かけが少しだけ変わることがあります。
「あ、これでよかったんだ」と思えたり、「自分だけじゃなかったんだ」と感じられたり…。
今回は、認知症介護に悩むあなたにぜひ手に取ってほしい作品を紹介していきます。
読むことで“寄り添い方のヒント”が見えてきたり、
観ることで“認知症になっても人生は続く”という前向きな気持ちになれると思いますよ。

まずは本で理解を深めよう
認知症介護は、知識を持つことで余裕を持って対応できるようになります。
ここでは、初心者にも読みやすく実践的な本と漫画を紹介します。
1.『認知症の人の気持ちがよくわかる聞き方・話し方』(鈴木みずえ著)
この本は、 「認知症の人は、今どんな気持ちでいるのか」を丁寧に教えてくれます。
問題行動として見られがちな言動も、 本人なりの理由や不安があることが分かり、
具体的なコミュニケーション術を教えてくれます。
介護に慣れてきた頃こそ、立ち止まって読み返したくなる一冊です。
2.『マンガでわかる 認知症の人が見ている世界』(川畑智 著)
「活字を読む余裕がない…」という方にもおすすめなのが、この一冊です。
漫画形式で、認知症の方の感じている混乱や不安が描かれています。
認知症の人が見ている景色、感じている混乱、不安。
それを知ることで、叱る前に一呼吸おけるようになります。
短時間でも読めるので、忙しい介護の合間にも手に取りやすい本です。
3.『認知症世界の歩き方』(筧裕介 著)
この本は、認知症の人の世界を 「知らない国を旅するように理解しよう」という視点で
描かれています。
「なぜ、ごはんを食べたばかりなのに、また食べたいと言うの?」「なぜ、お風呂を嫌がるの?」
といった不思議な行動の裏側にある理由を、当事者の視点から解説した画期的な一冊です。
まるで異世界を旅するガイドブックのような形式で、認知症のある人が見ている景色や
感じている困難を疑似体験できます。
4.『ペコロスの母に会いに行く』(岡野雄一 著)
この作品は、認知症の母と息子の日常を描いた実話エッセイです。
重たいテーマなのに、読み進めるうちに、なぜか心があたたかくなっていきます。
できなくなっていく母を前に、 戸惑いながらも、笑いながら、受け止めていく息子の姿。
「ちゃんとしなきゃ」と力が入りすぎている人ほど、 ふっと肩の力が抜けるかもしれません。
後に映画化もされており、本と映画の両方で味わってほしい一作です。
映画で感じる「寄り添う気持ち」
本から学ぶのも大切ですが、映画は「感情で理解できる教材」とも言えます。
映像や音楽を通して、認知症の人の世界や、その周りを支える人の苦労・優しさを
リアルに感じ取ることができます。
1. 『明日の記憶』(2006年公開)(原作:荻原浩)
若年性アルツハイマー病を宣告された男性と、 それを支える妻の姿を描いた物語です。
本人の不安や恐怖はもちろんですが、 この作品が胸に刺さるのは、
「支える側」の戸惑いと孤独が、とてもリアルに描かれているところです。
どう声をかけたらいいのか分からない。
励ましたつもりが、相手を傷つけてしまう。
その一つひとつに、「分かる…」とうなずいてしまいます。
小説でも、映画でも、 どちらから触れても心に残る一作です。
2. 『長いお別れ』(2019年公開)(原作:中島京子)
認知症を患った父と、その家族の7年間を描いた作品です。
少しずつ記憶を失い、父が「父」でなくなっていく切なさはありますが、
そこには悲しみだけでなく、新しい形での家族の繋がりや、温かなユーモアも流れています。
悲しいだけじゃない。
腹が立つこともあるし、笑ってしまう瞬間もある。
その全部を肯定してくれるような、静かでやさしい作品です。
3. 『アリスのままで』(2014年公開)
若年性アルツハイマー病を発症した女性の視点から描かれるこの映画は、
「認知症になる側」の不安や恐怖を、静かに、でもはっきりと伝えてくれます。
言語学者でありながら、言葉が出てこなくなるもどかしさ。
自分が自分でなくなっていく感覚。
それでも、感情や尊厳は確かに残っていること。
観終わったあと、相手を見る目が変わる。
そんな力を持った映画です。
4. 『毎日がアルツハイマー』(2012年公開)
監督自身が母親の介護を撮影したドキュメンタリー映画です。
重く感じがちなテーマを、笑いを交えながら明るく伝えています。
ポジティブな視点が観る人の心を軽くしてくれます。
「ガチンコ親子喧嘩」や「爆笑のやりとり」はどんな教科書よりも介護のヒントになります。
テレビ番組のように見やすく、初めて介護映画を観る人にもぴったりです。
5.『ぼけますから、よろしくお願いします。』(2018年公開)
認知症の母と、それを支えるため、初めて包丁を握る父。そして、その老老介護を見つめる娘。
実際の家族を追ったドキュメンタリーです。
その淡々とした、しかし深い愛に溢れた姿は、観る者の涙を誘います。
きれいごとでは済まない現実。
でも、どこかあたたかさが残るのは、 登場する人たちが、とても正直だからかもしれません。
「ちゃんとできてない日があってもいい」
そう思わせてくれる力があります。
6.『ファーザー』(2020年公開)
アンソニー・ホプキンスが主演を務め、アカデミー賞を受賞した話題作です。
この映画の最大の特徴は、観客が「認知症の人の視点」で物語を体験する点にあります。
昨日あったはずの扉がない、さっき話した人が別人に変わっている……
そんな認知症の人が日常的に感じている混乱と恐怖をそのまま疑似体験することになります。
サスペンスのような緊張感で描かれている、これまでの認知症映画の常識を覆す衝撃作です。
ー認知症の人の見守りのお手伝いができますよー
[PR]最後に
認知症介護は、知識や技術だけではなく“心の柔らかさ”がとても大切です。
今回ご紹介した作品たちは、その心をほぐしてくれる大切なツール。
行き詰まったとき、悲しいとき、あるいはもっと良いケアをしたいと願うとき。
その時々の自分の心にフィットする一冊や一本を、ぜひ手に取ってみてください。
物語の中に散りばめられた小さなヒントが、きっとあなたの毎日を支えてくれるはずです。
これからも、無理をせず、自分なりのペースで向き合っていけますようにー
応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ー記事で紹介した作品が全て揃ってますー



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