こんにちは。
今日は「親の介護に向けた実家リフォーム」をテーマにお話しします。
親が高齢になってくると、
「段差で転ばないかな」
「トイレまでの動線が長いな」
「冬、廊下が冷えるのが心配」など、
日常の生活の中で少しずつ不安を感じることが増えてきますよね。
実際に介護が必要になってからリフォームを検討する人も多いのですが、
できれば“介護が始まる前”に少しずつ備えておくのがポイントです。
大がかりな工事をしなくても、生活動線の見直しや簡単な設備変更だけで、
毎日の安全と快適さがぐっと変わります。

まず考えたいのは「危険の少ない家」
リフォームの目的は「暮らしの継続性」を保つこと。
つまり、できるだけ今まで通り自分の家で安心して過ごせることです。
そのためにチェックしたいのが次の3つの視点です。
- 転倒防止:段差、すべりやすい床、急な階段、浴室の足元
- 移動しやすさ:手すりの配置、部屋と部屋の動線、廊下の幅
- 温度差対策:ヒートショックを防ぐための断熱リフォームや暖房調整
「介護=大掛かりな改装」と思わなくてOK!
介護リフォームというと、「家全体を改造する」「費用が高い」
というイメージを持つ方も多いですが、
実際には5万円〜10万円前後でできる“安全対策”もたくさんあります。
たとえば、
- 階段や廊下に手すりを設置
- 浴室の床を滑りにくい素材に変更
- 玄関の上がり框に簡易ステップを設置
- ドアノブをレバー式に変更
こうした「ちょっとした工夫」が、転倒や事故を防ぎ、長く自宅で暮らせる助けになります。

家族で話し合っておきたいポイント
リフォームを考えるときは、「今の生活のどこに困りごとがあるか」を
家族で共有することから始めましょう。
親御さん自身が「ここが少し危ないかも」「この動作がしんどくなってきた」
と感じている場所を具体的に聞き出します。
小さなことでも重要なヒントです。
また、親世代は「大丈夫、まだ平気」と言いがちですが、実際に見守る立場から見ると、
早めの対策がその後の生活をとても楽にします。
無理せず自然に、「将来も安心して暮らせるように」と前向きに話し合う雰囲気が大切です。
介護保険制度を使ってリフォーム費用を抑える
実は、介護保険を利用すれば、条件を満たす方は最大20万円までのリフォーム費用に対して
補助が受けられます。(自己負担は1割〜3割)
対象になる工事には、例えば以下のようなものがあります。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑り防止の床材変更
- 引き戸など開口部の拡張
- 洋式トイレへの便器交換
介護保険認定を受けている方であれば、指定の申請書を提出することで補助が適用されるので、
まずは自治体の介護課やケアマネジャーに相談して手続き方法を確認しておきましょう。
場所別に見る!実家リフォームの工夫とポイント
では、家のどの部分をどう工夫すれば暮らしやすくなるのかを、場所ごとに見ていきましょう。
1. 玄関まわりの工夫
玄関は家の出入りで毎日使う場所。
ここを安全に整えるだけで、外出のハードルがぐっと下がります。
- 段差にステップを設置:上がり框が20cm以上ある場合は、簡易ステップをつけるとラクに上がれます。
- 手すりの配置:壁側に縦手すりを1本付けるだけでも安定感がアップ。
- 照明の明るさ:人感センサー付きライトにすることで、夜間も安全です。
さらに、傘立てや靴箱の位置を少し変えるだけで、つまずくリスクを減らせます。
意外と小さな配置の見直しが、大きな安心につながります。

2. 廊下・部屋の出入り口の工夫
家の中での転倒やつまずきが多いのが「廊下」や「部屋の入り口」。
動線の安全確保が大切です。
- 段差の解消:敷居の高さを下げる、またはスロープを設置
- 引き戸へ交換:押したり引いたりが軽くなるので、力を使わず開け閉めが可能に。
- 手すり設置:曲がり角や長い廊下には、掴める位置に連続手すりを。
なお、照明のスイッチは「腰の高さ」くらいに付け替えると立ち座りがラクになります。
介護だけでなく、誰にとっても快適なリフォームですね。
3. トイレのリフォームポイント
トイレは毎日何度も使う場所。
安心して使えることが何より大切です。
- 便座の高さ:高さが合っていないと立ち上がるのがつらくなります。45〜50cmが目安。
- 手すりの位置:便座横と前方に1本ずつが理想。壁にしっかり固定することがポイントです。
- 出入口を引き戸に変更:介助が必要になったとき、外からでも開けられるようになります。
最近では「温水洗浄便座+自動開閉タイプ」を選ぶ方も増えています。
使いやすさだけでなく、感染対策にもなります。
4. 浴室の安全対策
浴室は滑りやすく、温度差も大きい危険な場所。
ただし工夫すれば、快適で安全なお風呂に変えられます。
- 床材を滑りにくい素材に変更:濡れても安心できるノンスリップタイプが◎。
- 浴槽の高さを調整:またぎやすい高さ(45〜50cm程度)が理想。
- 温度差対策:脱衣所に暖房を設置する、浴室暖房乾燥機を使うのも有効。
また、浴槽の縁に浴槽用手すり(後付けタイプ)を取り付けるだけでも、
出入りの安定感が大きく変わります。
補助金の対象にもなりますので、相談の価値ありです。

5. 居間・寝室の工夫
親御さんが長く過ごす場所だからこそ、
「身体に負担がかからない動線」と「温度のバリアフリー化」が鍵です。
- 敷物の見直し:カーペットの端やコード類はつまずきの原因。フラットな床材に。
- ベッドの高さ調整:立ち上がりやすいようにベッドの高さは座面が膝と同じくらいが目安。
- 家具の配置:歩くスペースを確保し、夜間の移動には足元灯を。
6. 温度差対策で「ヒートショック」を防ぐ
冬場のリフォームで特に注目されるのが断熱。
ヒートショックを防ぐため、浴室やトイレ、廊下の寒暖差を小さくすることが重要です。
二重サッシや内窓の設置、脱衣所暖房、廊下に簡易パネルヒーターを設置するだけでも、
体への負担を軽減できます。
これらのポイントを押さえれば、親御さんが「自分の家で最後まで過ごしたい」
という希望にぐっと近づけます。
実家リフォームをスムーズに進める流れと、失敗しないためのコツ
では実際にリフォームを進めるときの流れや注意点、そしてトラブルを防ぐコツを紹介します。
1. まずは「現状の整理」からスタート
いきなり業者に相談する前に、家族でしっかり“今の困りごと”をまとめておきましょう。
- どんな場面で「危ない」と感じるか(段差・階段・お風呂など)
- 親御さんが「こうなったら使いやすい」と思うポイント
- 今後の介護の見通し(在宅介護・デイサービス利用など)
これらを書き出しておくと、業者との打ち合わせがスムーズですし、
必要以上の工事を勧められにくくなります。

2. ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談
介護保険を利用するなら、まずケアマネージャーに相談するのが第一歩です。
介護認定を受けていない場合でも、地域包括支援センターで現状を伝えると、
今後の見通しを一緒に立ててくれます。
また、介護保険の住宅改修費を申請するには、見積書や工事前後の写真、
理由書などが必要なので、早めに準備しましょう。
書類作成はケアマネさんが手伝ってくれることが多いです。
3. 業者選びは「見積もり3社」が基本
リフォーム業者を選ぶときは、できれば3社程度の相見積もりを取りましょう。
安さだけで決めると、工事の質が落ちたり、追加費用が出てしまうケースもあります。
チェックしたいポイントはこちらです。
- 介護リフォームの実績(施工例を見せてもらう)
- 介護保険の制度に詳しいかどうか
- アフターフォロー体制(施工後の修正対応など)
信頼できる業者は「必要な工事」と「不要な工事」をきちんと分けて説明してくれます。
質問してもしっかり答えてくれるかも見極めポイントです。
4. 予算を決めるときの考え方
リフォーム費用は範囲や素材によって差がありますが、目安としては次の通りです。
- 手すり取り付け:2〜5万円
- 段差解消(スロープ設置など):3〜10万円
- 引き戸への変更:5〜15万円
- トイレ改修:10〜20万円
- 浴室改修:15〜30万円
介護保険の補助(上限20万円)だけで全部はカバーできませんが、
優先度をつけて少しずつ進める方法もおすすめ。
必要度の高い場所からリフォームするのが現実的です。
5. 「使う本人が主役」になるリフォームを
つい家族目線で「こうしたほうがいい」と考えがちですが、
一番大切なのは使う本人である親御さんの声です。
「この高さが楽」「この場所に手すりがあれば安心」など、
実際の生活を一緒にイメージしながら決めていくことが、
満足度の高いリフォームにつながります。
また、親御さんが「自分のために家が変わる」ことに抵抗を感じる場合もあります。
そんなときは「これならみんなも使いやすいね」「将来も安心だね」といった
前向きな言葉を添えてあげると良いです。
6. 工事中・工事後のチェックも忘れずに
実際に工事が始まったら、以下の点を確認しておきましょう。
- 手すりの位置が打ち合わせ通りか
- 床や壁の仕上がりが滑りにくいか
- 動線が以前より使いやすくなっているか
完成後は、親御さんにも実際に動いてもらい、違和感がないか確認。
必要であれば微調整をお願いしましょう。
7. リフォームを「きっかけ」に家族の未来を話そう
介護リフォームは、単に家を改装するだけでなく、家族で暮らし方を考える良い機会です。
将来の介護のあり方、サポート体制、費用面の負担などを、
今のうちに少しずつ話しておくことが、親にとっても子どもにとっても大きな安心になります。
そして、リフォームを「親のため」だけでなく、
「みんなが心地よく暮らせる家づくり」として捉えると、より前向きな気持ちで取り組めます。

まとめ
実家リフォームは、“高齢になってから慌ててやるもの”ではなく、
ほんの少し早めに向き合っておくことが大切です。
手すり一本、段差一つをなくすだけで、親の「できること」が増えていきます。
その積み重ねが、介護の負担を減らし、家族の心を軽くしてくれます。
親も自分も、“暮らしやすい家”で心穏やかに過ごせますように。
今回の記事が、あなたの実家の見直しのヒントになればうれしいです。
いつも応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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参考
- 「介護リフォームと住宅改修の違いとは?介護保険で行うバリアフリー工事」リフォーム本舗
- 「介護保険住宅改修費の支給について」福岡市公式サイト
- 「手すり施工業者にこれだけは伝えておきたい!設置場所別のポイント」転倒予防ナビ
- 「住宅改修費の支給ー介護保険制度とは」大阪市
- 「介護保険の住宅改修とは?できることや流れ、2回目の利用可否まで」ホームズ介護
 
  
  
  
  




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