要支援と要介護、どう違う?サービス内容を比較

制度・手続き・お金

はじめに:介護保険の入口で迷う「要支援」と「要介護」

こんにちは。

「要支援1って軽い介護?」「要介護ってどこから大変になるの?」

介護保険を初めて使うとき、多くの方がこの“分類”でつまずきます。

ケアマネージャーさんから「要支援認定でした」「今回は要介護2です」と説明されても、

それが具体的にどんなサービスにつながるのか、すぐにはピンとこないことも。

でもこの違いを理解しておくと、利用できるサービスの幅や、

これからの生活設計に大きく役立つんです。

この記事では、要支援と要介護の基本的な違いから、それぞれに用意されているサービス、

家族がどう対応すべきかまで、わかりやすく丁寧に解説していきます。

要支援と要介護の違いに迷う女性のイメージ画像

要支援と要介護の違いとは?

まずは、制度的な違いを確認してみましょう。

「要支援」「要介護」は、介護認定の区分として設けられており、

どちらも市町村が行う介護認定(要介護認定)によって決まります。

◆ 要支援とは

加齢によって筋力や生活機能が低下し、

家事や買い物などの“日常生活に少し支援が必要”な状態を指します。

要支援1と要支援2の2段階に分かれ、比較的軽度な支援が求められる方が対象です。

要支援のお宅に食料品の買い出しの支援をする男性のイメージ画像

◆ 要介護とは

認知症や身体の障害などにより、日常生活に介護が必要な状態です。

要介護1から5までの5段階があり、数字が大きいほど介護の必要度が高くなります。

食事や入浴、排せつの介助、移動の支援などが必要になるケースも含まれます。

自分で歩けない要介護のお年寄りの車椅子を押す男性のイメージ画像

◆ どこで線引きされるの?

要支援と要介護は、「基本的な生活動作」がどれほど自力でできるかが大きなポイント。

たとえば、歩けるか・トイレに行けるか・服の着脱ができるかなどが判断材料になります。

また、認知症の進行具合家族のサポート体制なども審査の対象です。

次では、要支援で受けられる具体的なサービス内容や、

介護予防の考え方について詳しく見ていきますね。

要支援のサービス内容

要支援1・2と認定された方が受けられるのは、介護予防サービスと呼ばれる支援です。

目的は“現状維持”あるいは“改善”であり、「できることを続ける力を支える」

という視点で提供されます。

◆ 主なサービス

以下のようなサービスが、地域包括支援センターを通して提供されます。

  • 介護予防訪問介護(生活援助中心型):掃除や調理、買い物などの家事支援
  • 介護予防通所介護(デイサービス):軽い運動やレクリエーションなど
  • 配食サービス:栄養バランスのとれた食事の宅配
  • 転倒予防の運動教室:リハビリ的なトレーニング支援
  • 福祉用具の貸与(軽度用):歩行器や手すりなどの利用

要支援の方に対しては、「○○をしてあげる」ではなく、

「○○ができるよう支える」という姿勢が基本です。

「まだ自分でできる」「もう少し頑張れる」を大切にすることで、

介護状態への進行を防ぐ役割を果たしています。

要支援のお宅の掃除の支援をする女性のイメージ画像

要介護のサービス内容

一方で、要介護1~5と認定された方には、より手厚い介護保険サービスが提供されます。

身体介助・生活援助・通所・施設入所など、選択肢の幅が広がるのが特徴です。

◆ 代表的なサービス

状態やニーズに応じて、以下のようなサービスが利用できます。

  • 訪問介護(ホームヘルパー):入浴・排せつ・食事などの身体介助
  • 通所介護(デイサービス):日中のケア、機能訓練、送迎
  • 訪問入浴・訪問看護:看護師や介護職による在宅支援
  • 短期入所(ショートステイ):家族の負担軽減や一時的な休養に
  • 特別養護老人ホーム:要介護3以上の方向けの長期入所施設
  • 福祉用具の貸与・住宅改修:手すり設置や段差解消などの住環境整備

要介護になると、ケアマネージャーが個別にケアプランを作成し、

本人と家族に最適なサービスが組み合わされます。

介護度が上がるほど支援は多くなり、家族だけでの対応が難しくなるケースも少なくありません。

次では、要支援から要介護に移行する際の変化や、家族としての向き合い方

そして記事のまとめへとつなげていきますね。

要介護のお年寄りをベッドで介助する女性のーイメージ画像

要支援から要介護になるとどう変わる?

要支援から要介護へと移行するケースは少なくありません。

筋力や認知機能の低下、病気やケガなど、生活機能が急に落ちることで、

支援レベルから介護レベルに切り替わることもあります。

◆ サービス内容の変化

要支援では「自立支援」が基本でしたが、要介護では「生活維持・介助」が主な目的になります。

たとえば、同じ「デイサービス」でも内容は変わります。

要支援では軽い運動や予防プログラムが中心ですが、

要介護では機能訓練・個別介助・入浴支援などが加わります。

◆ 生活の見直しが必要に

要介護になると、家の中の動線通院方法など、

暮らしそのものの見直しが求められる場面も増えてきます。

特に「ひとり暮らし」や「高齢夫婦のみ」の世帯では、

介護サービスの組み合わせによるサポート体制が重要になります。

どう選ぶ?家族ができるサポート

介護認定の結果が出たとき、

家族として「どう受け止め、どう支えたらいいのか」は悩みどころですよね。

ここで大切なのは、「どんな支援が“今の状態”にふさわしいか」を一緒に考えることです。

◆ ケアマネージャーとの連携を大切に

認定後は、地域包括支援センター(要支援)

または居宅介護支援事業所(要介護)のケアマネージャーが介入します。

家族の希望もきちんと伝えることで、無理のないケアプランを組んでもらいやすくなります。

要支援、要介護、それぞれのケアプランを作るケアマネージャーのイメージ画像

◆ 本人の気持ちに寄り添って

要支援でも要介護でも、本人が「自分らしく生きる」ことを支える視点が大切です。

「できることは任せる」「困ったら手を貸す」そんな柔軟な距離感が、安心を育みます。

まとめ:大切なのは“今”に合ったケア

要支援と要介護の違いは、“介護の重さ”だけでなく、

サービスの目的と支援の方向性にあります。

分類対象者目的主なサービス
要支援自立はしているが支援が必要な方介護予防・自立支援生活援助・軽度デイサービス・運動教室
要介護日常生活に介助が必要な方生活支援・介助提供訪問介護・通所介護・ショートステイ・施設入所

介護は「制度」を知ることも大切ですが、

“今の暮らしに合っているか”を常に見直していくことが、何より大事です。

このブログを読んでくださる方にとっても、

「ああ、うちもこうやって考えればいいのかも」と思っていただけたら幸いです。

どんな段階でも、“できること”を支える介護を目指して、一緒に歩んでいきましょうね。

いつも応援しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考・出典

  • 介護保険制度の概要
    厚生労働省|介護保険制度について
  • 要支援・要介護の認定基準
    ケアマネジメント・オンライン|介護認定の仕組み
  • 介護予防サービスの内容
    かいごDB|要支援1・2で使えるサービスとは?
  • 要介護向けサービス一覧
    介護サービス情報公表システム|介護保険で使えるサービス
  • 家族のサポートとケアマネ連携
    東京都福祉保健局|介護保険Q&A

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