こんにちは。
「親の介護、いよいよ施設も視野に入れて…」
そう思って調べてみたら、 出てくる出てくる、聞き慣れない施設の名前たち。
特別養護老人ホーム(特養)
介護老人保健施設(老健)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)…
「もう、どれがどれだか分から〜ん!」 と思わず叫びたくなるの、あなただけじゃありません。
でも安心してください。
この記事では、 それぞれの施設の特徴や違いを、わかりやすく解説していきます。
「自分の親には、どこが合うんだろう?」
そんな疑問に、少しでもヒントを届けられたらうれしいです。

1.まずはざっくり3つの施設の特徴を知ろう
介護施設はたくさんありますが、今回はこの3つに注目します。
・特養(特別養護老人ホーム)…長期入所が基本。重度の方が中心
・老健(介護老人保健施設)…リハビリ重視の中間施設
・サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)…住まい+生活サポート
それぞれ、役割や入れる条件が全く違うんです。
2.特養(特別養護老人ホーム)ってどんなところ?
通称「特養」は、常に介護が必要な高齢者が、 長期間暮らすための施設です。
公的施設なので、利用料も比較的おさえめ。
そのぶん人気が高く、入所待ちが数百人…
なんてこともあります。

メリット
・月額利用料が安め(年金内で収まる人も)
・要介護3以上の方なら長期入所が可能
・食事・入浴・排泄など日常生活をしっかりサポート
デメリット
・要介護3以上じゃないと原則入れない
・待機人数が多く、すぐには入れない場合が多い
・医療ケアはあまり充実していない
「もう自宅では難しい。でも医療的には入院ほどじゃない」
そんな状態の方には、ぴったりな場所かもしれません。
3.老健(介護老人保健施設)って何するところ?
老健は「病院から出たあと、家に帰るまでのリハビリの場」 として作られた施設です。
とはいえ、現実には長く入所している人も多く、
“在宅復帰”がゴールとはいえど、実際はそれぞれ。

メリット
・リハビリが充実していて、機能回復を目指せる
・医師や看護師が常駐し、医療ケアも安心
・在宅復帰を目指す人への支援が整っている
デメリット
・長期間の入所には向かない(原則3ヶ月〜6ヶ月)
・要介護1以上でないと入れない
・レクリエーションや暮らしの楽しみは少なめ
老健は「病院より家っぽい」「でも、家より安心」
そんな“ちょうど中間”のイメージがぴったりです。
4.サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)ってどんなところ?
「サ高住」…ちょっと聞き慣れない名前ですが、
実はここ数年で急増している人気の住まいです。
簡単に言えば、「見守りサービスがついた賃貸住宅」。
高齢者が安心して暮らせるように、バリアフリーや安否確認、生活支援が整っています。

メリット
・要介護認定がなくても入居できる
・自由度が高く、個人のペースで生活できる
・必要なサービスだけを選んで使える(訪問介護など)
デメリット
・介護スタッフは常駐していない施設も多い
・医療的なケアはほとんど受けられない
・介護が重くなると、再度の住み替えが必要になることも
元気なうちに入って、必要なときだけサポートを受ける。
そんな“セミ自立型”の住まいがサ高住なんですね。
5.どんな人に、どの施設が合ってる?タイプ別チェック
ここまで読んで、「で、うちの親にはどこがいいの?」と思った方も多いはず。
そこで、それぞれの施設がどんなタイプの人に合っているか、まとめてみました。
特養が合っているのは…
・要介護3以上の方で、長期的な暮らしの場を探している
・家族の介護が難しく、24時間ケアが必要な人
・できるだけ費用を抑えたい(年金内でおさめたい)
老健が合っているのは…
・退院後、すぐに家で暮らすのは不安な人
・リハビリをして、少しでも自立を取り戻したい人
・医療面のフォローも必要な人
サ高住が合っているのは…
・まだ自立していて、自由に暮らしたい人
・一人暮らしが不安で、見守りが欲しい人
・介護サービスを「必要に応じて」使いたい人
どの施設も、「万能」ではありません。
大切なのは、「今」と「これから」の状態を見て、その人に合ったステージを選ぶことなんです。
6.比較してみよう!施設のちがい早見表
施設名 | 対象者 | 目的 | 医療体制 | 入居期間 | 費用感 |
---|---|---|---|---|---|
特養 | 要介護3以上 | 長期入所・生活支援 | あまり充実していない | 長期OK | 比較的安い |
老健 | 要介護1以上 | リハビリ・在宅復帰支援 | 医師・看護師常駐 | 原則3~6ヶ月 | 中程度 |
サ高住 | 自立~要介護 | 見守り付きの住宅 | 医療対応は外部訪問 | 自由(賃貸契約) | やや高め |
こうして見ると、「どこが一番いい」というより、
「どこがその人に合っているか」が見えてきますね。
施設を選ぶときにチェックしておきたいポイント
「なんとなく良さそう」で決めてしまうと、あとで「こんなはずじゃ…」となってしまうことも。
後悔しないためには、以下のようなポイントをチェックしておくのがオススメです!
① 本人の生活スタイルに合っているか
早寝早起きな人が、夜型の施設に入るとストレスを感じることも。
「本人が普段どんな暮らしをしていたか」に合わせた環境を選ぶのが、じつはとても大事です。
② 医療・看護の体制はどうか
常に看護師がいるのか、緊急時の対応はどうなっているか。
特に持病がある方や服薬管理が必要な場合は、医療体制の確認を忘れずに。
③ レクリエーションや交流の機会があるか
毎日ただ過ごすだけでなく、「ちょっと楽しいこと」がある施設は、入居者の表情が明るいです。
手作りの行事やレク活動があるかも、要チェックです。
④ スタッフの雰囲気や人柄
見学時に、スタッフさんがどんな話し方をしているか、笑顔はあるか、丁寧か。
それだけでも、施設全体の“空気”が伝わってきます。
⑤ 立地と家族の通いやすさ
「なるべく近くのほうがいい」と思っていても、施設の内容が合わなければ本末転倒。
ただし、通いやすい距離にあると、面会の頻度や関わり方に影響するのも事実。
バランスを見て検討しましょう。
7.施設見学のときにチェックしたい!5つの視点
・入居者の表情が明るいか、話しかけやすそうか
・スタッフ同士の連携や空気感(忙しそうにピリピリしていないか)
・共有スペースが清潔に保たれているか
・食事の内容や提供方法(温かいものが温かく出るか)
・実際の居室の広さ・日当たり・使いやすさ
パンフレットでは分からない「リアルな暮らしぶり」を見るには、やっぱり見学が一番!

8.家族として、どう関わっていくか
どんなにいい施設でも、「入れたら終わり」ではありません。
家族の関わり方ひとつで、親御さんの安心感は大きく変わります。
定期的な面会で“心の支え”に
「あの人はひとりぼっちじゃない」
スタッフさんにもそんな印象が伝わることで、親御さんへの接し方がより丁寧になるケースも。
クレームではなく“対話”を
気になることがあれば、まずは丁寧に相談してみましょう。
「お願いしたい」という気持ちで伝えると、職員さんとの信頼関係も築きやすくなります。
施設は「家族の一員」と考える
施設に入ったからといって、完全に任せきりではなく、
「一緒に親を支えていく仲間」と思って関わることが大切です。
9.まとめ:どの施設にも“良さ”と“難しさ”がある
特養・老健・サ高住――
それぞれの施設には、それぞれの役割と個性があります。
「どこがいい」ではなく、
「どこが“今の親”と“家族の状況”に合っているか」
を見極めることが、何より大切です。
もし迷ったら、地域包括支援センターやケアマネさんに相談するのも手。
選択肢を広げ、冷静に比較することで、きっと“その人らしい暮らし”が見えてきます。
この記事を読んでくださっているあなたが、
「これでよかった」と思える施設に出会えますように。
いつも応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
大切な人の毎日を、安心して過ごせる環境で支えてあげることができる。
こちらで、笑顔あふれる暮らしがきっと見つかると思いますよ。
よかったら、のぞいてみて下さい↓

参考・出典
- 厚生労働省「高齢者施設の類型と役割」
- 公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「特別養護老人ホームの実情」
- 独立行政法人 福祉医療機構(WAM NET)「介護老人保健施設(老健)の概要」
- 公益財団法人 長寿科学振興財団「高齢者の住まいの種類と特徴」
- 東京都福祉保健局「高齢者施設の選び方」
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