こんにちは。
高齢になると、手や足の動きが少しずつゆっくりになったり、
肩や腰の可動域が狭くなったりします。
そんな中で、毎日の「服の着脱」が意外と大きな負担になることがあります。
「袖を通すのに時間がかかる…」
「ボタンが小さくて留められない…」
「脱ぐ時に腕が引っかかって痛い…」
このような小さな不便が積み重なると、着替えが億劫になってしまったり、
着たい服をあきらめることも。
でも、ちょっとした工夫のある“介護服”を選べば、着替えがぐんとラクになり、
毎日の生活がもっと快適になります。
この記事では、高齢者が快適に着られる介護服の選び方や、日常で役立つ工夫をご紹介します。
服選びのヒントとして、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

1. 介護服ってどんなもの?
「介護服」とは、着る人も、着せる人も使いやすいよう工夫されたお洋服のことです。
種類もたくさんあって、前開きシャツ、マジックテープ式、ゆったりしたデザインなど、
悩みやすいポイントを解決する工夫がつまっています。
最近は、見た目もオシャレで、普段着にもなじむものが増えているので「介護服=地味」
というイメージも過去のものになりつつあります。

着替えが難しくなる主な要因
要因 | 具体例 | 影響 |
---|---|---|
関節の可動域低下 | 肩が上がらない、膝が曲がらない | 袖やズボンの通しに時間がかかる |
握力・指の巧緻性低下 | ボタンをつまみにくい、ファスナーを上げられない | 細かい留め具のある服が使いにくい |
痛みやしびれ | 五十肩・関節炎・神経痛 | 服の動作で痛みが誘発される |
介護服の主な特長
特徴 | メリット |
---|---|
大きな前開き | 肩・腕の可動域が少なくても着脱可能 |
ゆったりシルエット | 動きやすく、袖・裾の締め付け感が少ない |
軽量素材 | 長時間着用も疲れにくい |
縫い目の工夫 | 肌への当たりが少ない |
2. こんな困りごとはありませんか?
・毎日の着替えに時間がかかり疲れる
・介助者も着せ替えで腰や腕がつらい
・服選びが億劫になり、おしゃれをしなくなった
3. 着脱が想像以上にラクになる工夫いろいろ
介護服には、年齢や身体の状態に合わせたさまざまな工夫が施されています。
「どうしてこんなに着脱が楽になるの?」というポイントを知ると、選ぶ時に参考になりますよ。
代表的な工夫と特徴一覧
工夫の種類 | 特徴 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
マジックテープ(面ファスナー) | パチっと貼ってペリっとはがすだけで開閉可能 | 指先の力が弱くても扱いやすい/着替えがスピーディ | 粘着力が落ちやすく異物が付きやすい |
スナップボタン | ボタン見えするが片手でも着脱できるパチン式 | 軽い力で開閉できる/外出着にも使いやすい | 金属製は冷たく感じる場合あり |
マグネットボタン | 磁力で自然に留まる構造 | 視力が弱い方や片手操作でも簡単 | ペースメーカー使用の方は医師に要確認 |
大きく開くファスナー | 前や横に大きく開閉できる構造 | 車いすや寝たきりでも腕を通しやすい | ガード付きで肌や布を挟まない設計推奨 |
袖口・裾のゆとり | 袖口や裾を広めに設計 | 動きやすく、つっぱり感が少ない | だぶつきすぎは引っ掛かりの原因に |
上の表のように、工夫ごとの特徴・メリット・注意点を知っておくと、
自分や家族に合った介護服を選びやすくなります。
4. 素材選びも着脱のしやすさにかかわる重要ポイント
「どんな素材がいいの?」とお悩みの方も多いはず。
柔らかくて伸びのある生地は着やすく、脱ぎやすいというメリットが大きいです。
素材別の特徴とおすすめシーン
素材 | 特徴 | おすすめ季節・場面 | 注意点 |
---|---|---|---|
綿混素材(コットン+ポリエステル等) | 通気性◎ 肌に優しい/シワになりにくい | オールシーズン/敏感肌 | 綿多めは乾き遅め |
ストレッチ素材 | 伸縮性が高く動きやすい | 日常着・リハビリ・外出 | 化繊多めは静電気注意 |
メッシュ・薄手素材 | 軽く通気性抜群/汗を逃す | 夏場・高温時 | 保温性低く重ね着必須 |
裏起毛・フリース | 軽く保温性高い | 冬場・寒冷地 | 汗で蒸れやすい |
速乾性素材 | 洗濯後すぐ乾く/軽い | 梅雨・夏/洗濯頻度多い時 | 化繊感や肌触りに好み分かれる |
素材によって、着脱のしやすさ・着心地・お手入れの楽さが大きく変わります。
機能性と季節感、ご本人の好みをバランス良く取り入れることが大切です。
5. 季節や生活スタイルに合った選び方
夏は通気性を、冬は保温性を重視。
外出にも部屋着にも使えるおしゃれな介護服を選べば、気分も上がります。
6. 着替えを楽しく!介護服選びの心がけ
機能性だけでなく、色や柄・デザインも大切です。
お気に入りの服は着替えの意欲にもつながり、自然と笑顔が増えます。
着脱が楽になると、1日のスタートも気持ちよく迎えられます。
お気に入りの色や柄を取り入れて、
「自分らしいおしゃれ」を楽しみながら介護服を取り入れてみませんか。

7. 代表的な介護服タイプと特徴
タイプ | 特徴 | おすすめ場面 | 注意点 |
---|---|---|---|
前開きシャツ・ブラウス | 肩や腕を大きく動かさず着脱可 | 日常・外出 | 留め具の使いやすさ確認 |
ワンタッチパジャマ | マジックテープ等で即開閉 | 夜間介助 | 面ファスナーの劣化に注意 |
車いす対応ウェア | 背中長め設計 | 長時間座位 | 夏場は蒸れ防止を |
リハビリ用ウェア | 伸縮性・動きやすさ重視 | 運動・訓練 | 強度不足に注意 |
つなぎ型 | 上下一体・背中開き | 脱衣抑制 | トイレ介助方法を確認 |
8. 選び方のコツ
ポイント | 理由 |
---|---|
サイズはゆったり | 着脱しやすく動作制限が少ない |
洗濯・乾燥の容易さ | 毎日の清潔維持に重要 |
季節対応 | 快適性と体温調整 |
本人の好み尊重 | 着る意欲・気分向上 |
9. 実際に使っている方の声・体験談(例)
・「今までは着替えるだけで『痛い痛い…』と時間がかかっていたのが、
前開きのシャツに変えてから、とてもスムーズで朝が楽しみになりました。」(80代 女性)
・「母の介助で着せ替えが本当に大変でしたが、マジックテープ式のパジャマなら力もいらず、
夜中のおむつ交換も素早くできて助かります。」(50代 娘)
・「以前は、父が外で過ごすとすぐ裾が上がって寒がっていました。
車いす用の長めウェアにしたら、体が冷えずにいつもご機嫌です!」(60代 息子)
・「自分で選んだ花柄のシャツを着ると、『今日もおしゃれできた!』と笑顔。
着替えるだけで元気になれるようです。」(介護職員)

10. まとめ:「介護服」だからできる、笑顔のループ
高齢者向け介護服の選び方は、
使う人の体や好みに合わせることと、介助者の負担を減らすことのバランスがカギです。
介護服は「着る人のラク」と「介助する人のラク」の両方を叶えてくれます。
「着替えやすい服」があると、暮らしの中での小さなストレスが減り,
笑顔の時間が増えていきます。
ほんのちょっとした工夫が、毎日の幸福度まで変えてくれることもあります。
「たかが服、されど服」
日々の「服を着る」「服を脱ぐ」という動作がもっとスムーズになって、
「おしゃれしたい」「今日も自分で着替えたい」そんな気持ちを大切にできて、
生活や体の変化に寄り添った一着を選んでもらえたら嬉しいです。
そして、そんな日々が楽しいものになりますように‥。
この記事が、あなたやあなたの大切なご家族の毎日を、
少しでも明るくするヒントになれば幸いです。
いつも応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考・出典
- 在宅介護でおすすめの「着やすい」「脱ぎやすい」服の選び方 セコム
- 着脱介助に悩む方必見!着替えのコツや着脱が楽な衣服・肌着の選び方 ウィズエール
- 高齢者のための服選び5つのポイント 介護ポストセブン
- 着替えやすい服を選ぶのがポイント!着脱介助をスムーズに行うコツ ALSOK介護
- 在宅介護/着替えの介助が大変‥「介助しやすい服」はあるの? おいしがはら介護情報館
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