こんにちは。
親の介護が始まると、生活スタイルが大きく変わりますよね。
その中でも「介護ベッドをどうするか」は、多くのご家族が最初につまずくポイントのひとつ。
「レンタルと購入、どっちがいいの?」
「介護ベッドってそもそも必要?」
そんな疑問を持つ方のために、この記事では介護ベッドの選び方や、
レンタルと購入の違いについて、わかりやすく解説していきます。

1.介護ベッドってどんなもの?
まずは基本から。
介護ベッドとは、高齢者や障がいのある方がより安全に、
そして快適に生活できるように工夫されたベッドのことです。
一般的なベッドと大きく違うのは、電動で背もたれや脚の角度を調整できたり、
ベッドの高さを変えられたりする点です。
主な目的は以下の通り:
- 自力で起き上がる・立ち上がるのをサポートする
- 介護する側の腰や体への負担を軽減する
- 転倒やベッドからの転落を防ぐ
また、ベッド自体に柵(サイドレール)を取り付けられたり、
マットレスも体圧分散型のものを選べたりと、
利用者の状態に応じたカスタマイズができるのも特徴です。
2.介護ベッドは必要?いつ導入すべき?
「まだ自力で寝起きできるし、必要ないかな…?」
そう思う気持ち、よくわかります。
でも、介護ベッドは「必要になってから」だと準備に時間がかかることも。
導入の目安はこんなとき:
- 本人がベッドの上での寝返りや起き上がりがつらそう
- 布団での立ち座りが難しくなってきた
- 夜間のトイレが多く、ベッドからの転落リスクが心配
- 介助する家族の腰痛が気になるように
つまり、少しでも「しんどそうだな」と感じたタイミングが、検討のチャンスです。
早めに備えておくことで、本人も家族も安心して過ごせますよ。

3.レンタル?購入?まずは違いを知ろう
介護ベッドは大きな買い物。まずは、レンタルと購入の違いをざっくり比べてみましょう。
項目 | レンタル | 購入 |
---|---|---|
費用 | 月額制(介護保険適用で1割負担) | 初期費用が高額(10万円以上) |
修理・交換 | 業者が対応してくれる | 自己負担での修理や買い替え |
期間 | 短期・長期に対応可能 | 長期間使うなら割安になることも |
選べる種類 | 基本的な機能に絞られる | 機能・デザインを自由に選べる |
どちらにもメリット・デメリットがあるので、ご家庭の状況や介護の見通しに応じて、
しっかり検討することが大切です。
4.介護保険でレンタルできる条件って?
「介護ベッドって保険が使えるの?」という疑問もよく聞きます。
実は、要介護認定を受けている方であれば、介護保険で介護ベッドをレンタルすることが可能です
(※要支援の方は原則対象外)。
ただし、「どんなベッドでもOK」というわけではなく、
福祉用具貸与の対象品目として国に認められたベッドに限られます。
ケアマネジャーさんを通じて、福祉用具貸与業者に依頼する流れが一般的です。
費用は、月額数千円程度で済むことがほとんど。
自己負担1割(所得によっては2~3割)となります。
5.レンタルが向いているケースとは?
では、どんな場合にレンタルが向いているのでしょうか。
以下のようなケースでは、介護ベッドのレンタルをおすすめします。
① 介護期間がまだ不確定なとき
退院後すぐや、在宅介護を始めたばかりで、どれくらいの期間使うか分からないときは、
まずレンタルがおすすめです。
必要に応じてベッドを交換できるのも安心ポイント。
② 要介護認定を受けていて、介護保険が使える場合
介護保険が適用されると、ベッドのレンタル料金が1割負担になるので、
かなり経済的です(※条件あり)。
月数千円で高機能な電動ベッドが利用できます。
③ 症状や状態が変化しやすいとき
例えば、回復の可能性がある病気や、リハビリ中の方など。
症状に応じてベッドの機能を変えたいときは、レンタルのほうが柔軟に対応できます。
6.購入が向いているケースとは?
反対に、介護ベッドの「購入」が合っているケースもあります。
① 長期的に使うことが前提の場合
先の見通しがあり、数年以上の利用が予想される場合は、
購入の方がコスト的にお得になることも。
特に介護保険の対象外の方は、レンタル料が高くついてしまうため、購入のほうが経済的です。
② 好きなメーカーや機能を選びたいとき
レンタルでは限られた機種しか選べませんが、
購入なら豊富な選択肢から自分に合ったベッドを選べます。
高さ調整、デザイン、マットレスの硬さなど、細かいこだわりがある方にはおすすめ。
③ 同居家族が他に使う可能性があるとき
将来的に他の家族が使う予定がある、もしくは介護を必要とする可能性がある場合は、
長い目で見て購入を検討してもいいかもしれません。
7.選ぶときのチェックポイント
レンタル・購入に関わらず、介護ベッドを選ぶときにチェックしたいポイントをまとめました。
- 背もたれや脚部の電動調整が可能か
- ベッドの高さが調節できるか(介助しやすい高さか)
- サイドレール(柵)を付けられるか
- 設置スペースに収まるサイズか
- 本人が操作できるかどうか(リモコンの使いやすさなど)
- マットレスの種類(体圧分散型・硬さなど)
また、ベッドの脚に車輪がついているタイプだと、
部屋の模様替えや移動がしやすいというメリットもあります。
8.介護ベッドを試せるって本当?
実は、レンタル前に試せるケースもあるんです。
福祉用具の業者によっては、「短期間のお試し利用」を提案してくれるところも。
実際に使ってみることで、本人に合っているかどうかを判断できます。
ケアマネジャーさんに相談すれば、試用の提案や、
デモンストレーションの案内をしてくれる場合もあるので、
気になる方は遠慮なく聞いてみてくださいね。

9.ベッド以外に必要な備品も忘れずに
介護ベッドだけあっても、実は「それだけ」では不十分なこともあります。
以下のような関連アイテムが必要になることもあります。
- マットレス(体圧分散型など)
- サイドレール(転落防止の柵)
- ベッド用手すり(立ち上がり補助)
- 防水シーツ・おねしょシーツ
- 床ずれ防止クッション
これらもレンタルできる場合がありますので、必要に応じて相談してみましょう。

10.レンタル・購入、それぞれの注意点
レンタルの注意点
- 契約内容をしっかり確認(解約時の手数料など)
- 保険が使えるベッドの種類に制限がある
- ベッドが使える状態(要介護認定)が条件になる
購入の注意点
- 搬入・組み立てが必要なため、設置場所の確認を
- 将来的な処分・保管を見据える
- 機能が多い分、価格も上がりやすい
11.まとめ:後悔しない選び方をしよう
介護ベッドの選び方に「正解」はありません。
大切なのは、その人の状態や、家族の介護のしやすさに合っているかどうか。
レンタルと購入、どちらにも良さがあります。
「とりあえず使ってみたい」「短期間の利用かも」ならレンタル。
「長期的に使いたい」「自分にぴったりなベッドが欲しい」なら購入。
悩んだら、ケアマネジャーさんや地域包括支援センターに相談してみてくださいね。
経験豊富なスタッフが、本人に合った方法を一緒に考えてくれますよ。
ご本人にとっても、ご家族にとっても、より快適な生活の第一歩になりますように。
いつも応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考・出典
- 厚生労働省「福祉用具貸与に関する基準について」
- 厚生労働省「福祉用具貸与・販売の指定基準」
- 介護保険最新情報
- 公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具情報システム(TAIS)」
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