こんにちは。
「おじいちゃんが夜中にいなくなって、近所中で探したの…」
そんな話を耳にしたことはありませんか?
高齢者の“徘徊(はいかい)”は、決して珍しいことではありません。
特に認知症の方に多く見られ、家族にとっては心配で胸が締めつけられる出来事ですよね。
でも、ちょっと視点を変えてみると、「徘徊」は本人なりの“理由のある行動”なんです。
迷子のように見えても、本人の中では何かを探していたり、
誰かを待っていたりすることが多いんですよ。

どうして徘徊してしまうの?
徘徊の原因は一つではありません。
多くの場合、認知症による記憶障害や時間・場所の感覚の混乱が関係しています。
たとえば、
・「会社に行かなきゃ」と思い込み、定年後何十年経っていても出かけてしまう。
・「子どもを迎えに行かないと」と、すでに大人になった子どもを探しに外へ出る。
・「ここは自分の家じゃない」と感じ、不安になって外に出ようとする。
こんなふうに、本人の頭の中では“目的のある行動”なんです。
けれど、現実とのズレがあるために、結果として「徘徊」と呼ばれてしまうんですね。
本人も不安でいっぱい
徘徊というと「勝手に出ていってしまう」と思われがちですが、
実は本人も強い不安を感じていることが多いです。
見知らぬ場所に迷い込み、「ここはどこ?」「家に帰りたい」と心細くなることもあります。
そんなときに家族や地域の人が温かく声をかけてくれると、本人も安心します。
「怒る」より「寄り添う」。
これが徘徊への第一歩なんですね。
徘徊が起きやすいタイミングと予防の工夫
徘徊は、ある日突然起こるわけではありません。
じつは、少しずつ「きっかけ」が積み重なって起きることが多いんです。
徘徊が起きやすいタイミングって?
たとえばこんなときに起こりやすいと言われています。
・夕方や夜など、外が暗くなる時間帯
・季節の変わり目や、気温の変化が大きい日
・家族の外出や引っ越しなど、生活リズムが変わったとき
・入院や退院の直後など、環境が大きく変わったとき
特に「夕暮れ症候群」と呼ばれるように、夕方になると不安や混乱が強くなり、
「家に帰らなきゃ」「仕事に行かなきゃ」と歩き出してしまうケースもあります。
これは、光の加減や影の映り方などが変わることで、
脳が“時間の感覚”をうまくつかめなくなるからなんです。
[PR]家族ができる予防の工夫
徘徊を完全に防ぐのは難しいですが、「少しでも安心して過ごせる工夫」はたくさんあります。
① 環境を落ち着かせる
部屋の照明を明るめにしたり、時計を見やすい位置に置いたり。 「今がいつなのか」「どこにいるのか」が分かる工夫をすることで、 不安感をやわらげることができます。
② 声かけの工夫
「どこ行くの!」と強い口調で止めると、かえって反発してしまうことも。 そんなときは「ちょっと一緒に行こうか」「その前にお茶でもどう?」と、 やさしく寄り添う言葉をかけてあげると落ち着く場合があります。
③ 安全を確保する
玄関や窓の鍵を工夫したり、GPS機器や見守りセンサーを活用する方法もあります。 「閉じ込める」ではなく「安心して見守る」ための工夫として使うのがおすすめです。
もし徘徊が起きてしまったら…落ち着いて行動しよう
どんなに気をつけていても、徘徊は突然起こることがあります。
そんなときこそ、まずは焦らず、冷静に対応することが大切です。
すぐに確認したいこと
・家の中や敷地内をもう一度くまなく確認する
・靴や上着がなくなっていないかチェックする
・いつ、どんな服装で出かけたのかをメモする
そのうえで、見つからない場合はすぐに警察へ連絡を。
「認知症の家族が行方不明になった」と伝えると、
地域のパトロール隊や交番も連携して探してくれます。
また、市町村によっては「徘徊SOSネットワーク」や「見守りメール」など、
地域ぐるみで捜索できる仕組みもあります。
こうした制度は、事前に登録しておくといざという時にとても頼りになりますよ。
[PR]見つかったときは、まず安心を伝えて
無事に見つかったとき、つい「どうして出て行ったの!」と
感情があふれてしまうこともあります。
でも、本人は「怒られた」と感じると、次から隠れて出て行ってしまうこともあるんです。
そんなときは、まずは「見つかってよかった」「心配したよ」と
安心の言葉をかけてあげましょう。
そして、「疲れたでしょう」「お茶でも飲もうか」と、 温かく迎えることで、
本人の不安も少しずつやわらぎます。
家族の心も大切にして
徘徊への対応は、身体だけでなく心の疲れも大きいものです。
夜中まで探し回ったり、「また起きたらどうしよう」と眠れない日々が続くこともありますよね。
そんなときは、一人で抱え込まずに、
地域包括支援センターや介護相談窓口に相談してみましょう。
介護サービスやショートステイをうまく利用することで、
家族の休息時間を確保できることもあります。
「頑張りすぎないこと」も、立派な介護です。
あなたの心が少しでも軽くなることが、 結果的にご本人の安心にもつながっていきます。
最後に
徘徊は、本人の「生きる力」や「過去への想い」が表れる行動でもあります。
家族が安心して寄り添えるように、地域の人・福祉・テクノロジーの力を
うまく組み合わせていけば、きっと“安心できる介護”に近づけます。
「探す」よりも「見守る」へ――
無理をせず、寄り添う介護をみんなで築いていけたらいいですね。
応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
[PR]参考
- 「認知症の徘徊グッズでGPSが有効なのはなぜ?」おうち病院
- 「認知症の人が自由に安心して外出できる取り組み」認知症の人と家族の会
- 「大府市では徘徊という言葉を使用しません」愛知県大阪市
- 「徘徊SOSネットワークとは?」itsumo
- 「徘徊高齢者等家族支援サービス」東松山市公式サイト





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